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フィンテック時代に「人(プロ)」に相談する意味とは

ZUU online 8月8日(月)6時10分配信

近年、「AI(人工知能)」が注目されています。一部のメディアでは「AIが人間の仕事を奪う」という記事が掲載されるほどです。あくまで想定の話ではありますが、「会計士」「秘書」「中央官庁職員など上級公務員」も仕事がなくなるという見解もありますから、驚きです。

もちろん、こうした仕事がすべてAIのものになるわけではありません。むしろ仕事量が増える可能性が高いことから、人間の代わりにAIが担う部分が増えるということでしょう。

■身の回りで進むフィンテック

最近注目度が急に高まっている「FinTech(フィンテック)」の分野で、AIを資産運用に活用した「ロボットアドバイザー」が増えてきました。

FinTechはFinance(金融)とTechnology(技術)をあわせた造語で、お金に関するあらゆることをITによって便利にしようという動きのことを表しています。たとえばAIが資産のポートフォリオを作ってくれたり、必要な情報を収集してくれたりします。収入と支出の管理でも自動で仕訳してグラフ化してくれたり、お金の貸し借りができる相手を見つけてくれたりします。お金に関するいろいろな行為が、FinTechで便利になりつつあります。

ここで冒頭の話に戻ると、資産運用の相談にのってくれている人たちの仕事が奪われる心配はないのでしょうか。資産運用のプロフェッショナルたちは、生き続けることができるのでしょうか。

■AIは無駄のない判断をしてくれるが…

たしかに人間よりもAIや機械のほうが、計算や分析を間違える可能性は低いでしょう。さらに、感情に左右されず、データ上もっともよいと思われる分析結果を相談者に返してくれるはずです。

しかし「間違えない」からといって、相談相手がAIやロボットでいいと皆さんは思われるでしょうか。

たとえ的確な情報を教えてくれても、それを受け取った相談者が正しく理解できるかどうかは分かりません。専門用語が分からないという心配もあります。もし相談相手が人間なら、相談者である自分の表情や言葉のニュアンスから「分からないところがある」ことを察知して、こと細かに教えてくれるでしょう。少なくとも現時点では、AIやロボットが相談者の微妙な変化まで読み取ってくれるとは思えません。

AIやロボットは、現段階では少なくとも「聞いたこと」については回答してくれるでしょう。しかし“言外の意図”まで読み取ってくれるとは思えません。そうしたレベルまで求めるとしたら、日頃から付き合いがあり、相談者の性格や習慣などを知っている“人間”でないと難しいのではないでしょうか。

■人(プロ)に相談する意味

皆さんは、ご自身がこれまで決めてきたあらゆる決断、判断が「100%合理的なものだった」と思われるでしょうか。おそらく、無駄を承知でとった行動もあったはずです。人間は時に、0か1かというデジタル思考では理解できない行動をとるものです。そうした前提に立って考えたとき、相談する相手を「間違えないから」という理由で、すべてAIなどコンピューターにしたいと思えるでしょうか。

もちろん計算する場面や過去のデータを探したい時など、必要に応じてデジタルの力を使えばよいでしょう。コンピューターの力を借りて計算し、検索したうえで信頼できる“人”と相談して、自分で決めるのです。人は人とのコミュニケーションを求めるものです。ときには単に話したい、愚痴りたいときもあるでしょう。そうしたことにも相手が人間なら、つきあってくれます。

お金をどう使うかは、人生をどう生きるかということです。その相談ができるのは、やはり同じ人間ではないでしょうか。IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)やFP(ファイナンシャルプランナー)といった金融資産のホームドクターならば、AIや機械にはできない臨機応変な対応をしてくれます。

もしかするとずっと先の将来、愚痴を聞いてくれ、臨機応変に対応し、細やかな気遣いのできる、見た目も人間のようなロボットアドバイザーが誕生するかもしれません。技術のレベルは急速に高まりつつあります。FinTechをはじめとした便利な技術・サービスを利用することは便利ですが、信頼できる相談相手やパートナーがいることは、実はとても心強いものだということを知っておきたいものです。(提供:IFAオンライン)

最終更新:8月8日(月)6時10分

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