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高野連ってどんな組織なの?(冬とか何してるの?)

ITmedia ビジネスオンライン 8月8日(月)7時10分配信

●新人記者が行く:


鈴木 夏の甲子園、いよいよ開幕しましたね。今年はどんなドラマが生まれるのか、楽しみだなー。

【高野連東京支部の専務理事、武井克時さん】

青柳 そうですね! 毎年必ず劇的なドラマが生まれるのが夏の甲子園ですからね。ところで、ずっと気になっていたのですが、高校野球ってインターハイを実施する高校体育連盟(高体連)ではなく、高校野球連盟(高野連)が独自に運営しているんですよね。どうしてなんですか? 鈴木さん、元高校球児だから、そのへん詳しいですよね? 教えてください。

鈴木 うーん。高野連について考えたことがなかったからなー。そういえば、どんな人が働いていて、給料とかはどうなっているんだろう。知らないことだらけだ。

青柳 オフシーズン(冬)とか絶対ヒマだと思うんですよね……気になります。

鈴木 じゃあ、ちょっと高野連に行って直接聞いてきますね!

●高野連のスタッフは現役の教員

 昨年で100周年を迎えた夏の高校野球。その人気は今も変わらず、風物詩として日本の夏に定着している。そんな歴史と伝統のある国民的行事を運営する組織が高野連だ。高野連は甲子園大会(正式には「全国高等学校野球選手権大会」)と地方予選で運営組織が分かれており、地方予選は各都道府県に設けられた「支部」が運営の全て担う。

 そして、地方予選を勝ち抜いた学校同士が戦う甲子園大会を運営するのが各支部の母体でもある「日本高野連」だ。甲子園の優勝旗などを贈呈したり、閉会のあいさつをしたりするあの人たちである。

 日本高野連に取材を申し込んだところ、「忙しいので大会が終わった後にしてください」と断られたため、今回は支部の中で最も規模(加盟人数)が大きい高野連東京支部で運営責任者(専務理事)を務める武井克時さんから話をうかがった。

鈴木: こんにちは。今日は高野連(東京支部)についてあれこれ聞きたいと思います。早速ですが、そもそもなぜ高体連ではなく高野連という独自の組織で運営しているのでしょうか。

武井さん: もともと高野連は高体連よりも歴史が古いんですよ。その後、高体連に一時的に加盟したこともありましたが、さまざまな制約を受けることを嫌い、結局自分たちでやっていくことにしたわけです。例えば、高校野球の全国大会は春と夏の甲子園、そして秋の神宮大会と3回ありますよね。高体連に所属しているとそのようなことが許されません。

鈴木: なるほど。高体連の運営方針と齟齬(そご)があり、高野連が独自で運営をしているわけですね。ちなみに、どんな人たちが高野連のスタッフとして関わっているのでしょうか。私も就職できますか?

武井さん: 実は誰でも組織に入れるわけではありません。高校野球は部活動の一環ですから、運営は現役教員たちです。今は、教員を引退した人も手伝ってくれていますが、昔はほとんど現役教師たちだけでやっていましたよ。普段は教師としての仕事があるわけですから、まあ大変ですよ。

鈴木: えっ! 学校の先生が高野連のスタッフだったんですね。しかも現役の。

武井さん: そうですよ。高野連の母体は今でも学校。この東京支部のスタッフも70人中、60人が現役教員です。正確には、高校野球の監督や部長をやっていた教員たちが、高野連のメンバーに加わっています。私も、もともと高校野球の監督を歴任した現役の教師です。本業は学校の教師なので、休暇をうまく使いながら運営に参加しておりまして、予選が終わったら学校の仕事に戻る人もいます。これは甲子園を仕切る日本高野連も一緒です。

●高野連(支部)は全員ボランティアだった

鈴木: なるほど。高校野球の監督や部長を引退した人が教員と兼業しながら(あるいは教員を退職して)高野連で働いていたのですね。大会期間中はとても忙しいと思いますが、やはり高野連スタッフとしての給料ももらっていますよね?

武井: いえいえ。みんなボランティアで参加していますから1円ももらっていませんよ。

鈴木: 武井さんのように全体の指揮をとっている人や、理事長などの偉い人たちも無償ボランティアなんですか?

武井: そうですよ。厳密には会計処理などを手伝ってくれる事務員(3人)には時給が発生しています。残りのスタッフは交通費以外の手当ては一切もらっていないんですよ。ちなみに、審判の手配は「審判部」という独立した組織にお願いしているのですが、そこも全員ボランティアで、審判講習を受けた会社員や大学生が手伝ってくれています。

鈴木: そうだったんですか。偉い人たちは給料をもらっているものだと思っていました……。完全なるボランティアだったんですね。ちなみに、お客さんが予想以上にたくさん入って利益が出たら、それはどうするんですか?

武井: 非営利団体ですから、利益が出たら加盟校にボールや用具を支給するなどして還元しています。支部によって使い方は異なりますが、うちは公式戦で使用する背番号を支給したりしています。ちなみに、甲子園への旅費支援などは日本高野連が部員1人当たりに3000円×滞在日数を支給しています。足りない分は学校側の負担になります。

鈴木: 甲子園大会を管轄する日本高野連の場合は、観客動員数から考えても潤沢な資金がありそうですが、地方大会の場合、一般客がたくさん入るのは準決勝くらいからですし、予算が厳しそうですね。支部はどうやって運営資金を集めているのですか?

武井: 高野連(支部)の収入源は入場料、大会参加費、加盟費(加盟するときに発生)のみですが、収入源の約8割は入場料が占めています。大会参加費などは微々たるものなので……。確かに、加盟校に配るパンフレットなども作成したりするので、そんなに資金的余裕はありませんよ。特に昔は苦労しましたね。徐々にお客さんも増えてきたので良かったのですが。

●冬は何しているの?

鈴木: 確か、地方大会は準々決勝くらいからテレビ中継もしていますが、放映料はもらっていないんですか?

武井: 一応私たちは入場料でやっていけるので、もらっていません。ただ、もらっている支部もありますよ。収益確保が厳しいところなどは。

鈴木: そうだったんですね。ところで、主催する朝日新聞からの金銭的な支援はどのくらいあるんですか?

武井: 実は金銭的な支援はほとんどありません。一応、1校に対して約2000円程度支給していますが……。運営費は高野連が独自に集めるしかないのです。

鈴木: 質問が変わりますが、オフシーズンの冬は何をしているんですか? そもそも仕事があるんですか? 一番気になっていました。

武井: 春、夏、秋の大会に向けていろいろな準備がありますので、1年間休みはありません。会議や打ち合わせが多い時期です。

鈴木: どんな内容の打ち合わせが多いのでしょうか。

武井: 地方予選で使う球場を押さえるための打ち合わせですね。中学野球、社会人野球、大学野球、プロ野球もありますので、その中で球場を押さえるために会議に追われます。高校野球だけ特別扱されることはないので、これは調整が必要になります。

鈴木: なるほど。冬のうちにさまざまな団体と協議を重ねて年間スケジュールを組み立てていく必要があるのですね(どうやって教員と兼業しているのだろう)。いろいろと勉強になりました。ありがとうございます! 今度は日本高野連さんにも話を聞いてみようと思います。

(応援団長 鈴木)

最終更新:8月8日(月)7時10分

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