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「シン・ゴジラ」をエヴァ世代のアーティストが初日に意気込んで観に行った!【みんなの映画部】

M-ON!Press(エムオンプレス) 8/8(月) 15:31配信

Base Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間と映画を観てひたすら語り合うプライベート課外活動連載。今回は、公開直後から話題を呼んでいる庵野秀明総監督の「シン・ゴジラ」。上映直前には異常なテンションとなっていた熱血円谷特撮男児・小出部長は、この新作とどう対峙したのか!?

足取りの軽い映画部メンバーの写真はこちら

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活動第28回[前編]「シン・ゴジラ」
参加部員:小出祐介(Base Ball Bear)、福岡晃子(チャットモンチー)、世武裕子

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■庵野秀明さんありがとう! そして、おめでとうございます!

──前回の「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」から立て続けで、第28回は日本代表の「シン・ゴジラ」です。まずは小出部長から恒例のひと言をお願いします。

小出 感動しすぎて放心状態です。

一同 パチパチパチパチ!!(大きな拍手)

小出 こちらからは以上です!(笑)。

──まあ、そうなるよね。

小出 いや~、圧倒されましたね。

福岡 映画が終わったときにできなかった拍手を今しています(笑)。

世武 本当、すごかったなぁ。

小出 マジで何から話をしていいかわからない。まずひとつ言いたいのは、「庵野秀明さん(総監督・脚本・編集)ありがとう! そしておめでとうございます!」ってことですね。

パンフにも書いてあるけど、庵野さんは「エヴァンゲリヲン新劇場版:Q」(2012年)を作ったあと、魂削りすぎてぶっ壊れちゃったと。次の「シン・エヴァンゲリオン」がずっと待機していると言われながらも、結構長いこと経っていますよね。

その間、東宝から「シン・ゴジラ」を依頼されて、一度は断ったらしいんですけど、やっぱりこの仕事をやり遂げることで「エヴァ」に関しても次に進める、と判断されたんじゃないかな。

福岡 その庵野さんが、実写でこんなすごいの撮っちゃうんだもんね。

小出 本当に。世界に誇れるクオリティの日本映画になっていると思います。ゴジラ映画ってハリウッド版の2本を含めると30本あるんだけど、今までのシリーズはハリウッド版も込みで、1954年の1本目の「ゴジラ」がすべての前提としてあったのね。

シリーズ15作目、75年「メカゴジラの逆襲」で昭和シリーズが一区切りついたあと、1984年「ゴジラ」以降の平成シリーズ、1999年「ゴジラ2000 ミレニアム」以降のミレニアムシリーズのタイミングでリブートがあったり、パラレルワールドになったり、独自設定の作品も作られたりもするんだけど、初代ゴジラが日本に出現したことは前史として踏まえた内容になっていた。

でも今回は初めてリセットしたというか、「日本に初めてゴジラが出現する映画」に仕立てたんです。

世武 なるほど。

小出 それって、第1作「ゴジラ」への、ゴジラそのものへの真っ向勝負なわけじゃないですか。そして、ついに偉大なる初代に匹敵し得る、世界に誇る“新”ゴジラ映画ができたんじゃないかなと思う。しかも、それを庵野さんが作った。もうそんな外側のフレームだけでもめっちゃ泣けるんですよ。

世武 うんうん。

小出 それだけでも僕は今ビールを飲みたくてしょうがない。

──小出くん、まったく飲めないくせに。

小出 そう、飲めない酒を飲んでみたい(笑)。仲間たちと共に。音楽業界にも「エヴァ」ファンはたくさんいますからね。

福岡 いっぱいいるよね。

小出 みんな集めて乾杯したい。「庵野さん、おかえり!」と。

世武 「おめでとう」って。

小出 ほんとに! 「おめでとう」って、「エヴァンゲリオン」テレビ版の最終回さながらのあの感じで庵野さんを囲んで、みんなで拍手したい! っていう気持ちですよ。以上です!

福岡 あははは!

世武 ありがとうございます!

■伊福部ワールドはすごいよ!

──女子部おふたりのご意見としては?

福岡 まずですね、私と世武さんといえばゴジラですよ。

世武 そうだね(笑)。しかも初代ゴジラ命ですから。

小出 それ、何ですか?

福岡 私らふたりで「忘れちゃいなよバド部」という映画音楽を演奏するバンドをやっていて、まだ2回しかライブやったことないんやけど、そのうちの1回でゴジラの曲を演奏したんですよ。

世武 そもそものきっかけが、東宝がNHKホールでやっている生のフルオーケストラ演奏付きで初代の「ゴジラ」を観るっていうイベント(2015年1月18日開催「生誕60周年記念 ゴジラ音楽祭」)を私が観に行って、いたく感動したわけですよ、なんせバリバリの伊福部 昭(「ゴジラ」のテーマ曲をはじめ、多数の映画音楽を手掛けた偉大なる作曲家)ファンだから。

で、ウチらもゴジラやりたい! しかも「っぽい」のじゃなくて本物志向でやりたい! ということで、東宝の人に頼んで脚本を借り、ふたりでちゃんと演技し、サントラも挟み込み、弾きながら映画の台詞をそのまま語るという。

小出 誰の台詞?

世武 芹沢博士(科学者)と恵美子(ヒロイン)と尾形(恵美子の恋人)。私が恵美子をやっていたんだよね?

福岡 たまに尾形も。

小出 じゃあ、オキシジェン・デストロイヤー(芹沢博士が開発した化学兵器)の使用を恵美子と尾形が頼み込むシーンだ。

世武・福岡 そうそうそう!

小出 原爆対原爆、水爆対水爆。「いったん使ったら最後、世界の為政者たちが黙ってみているはずがない」っていうね。

世武 あの名シーンです。

福岡 それでゴジラの曲を演奏するんやけど、実際に演奏するとめっちゃムズいんよ。伊福部ワールドはすごいよ!

世武 伊福部先生は、なかなかの変拍子をキャッチーに聴かせる天才。

小出 ということは、初代ゴジラはやっぱり前から知ってたのね?

世武 知ってた、知ってた。

福岡 私も知ってた。でも世武ちゃんはめっちゃゴジラのファンやって言っていて、私はそんなに知らんかったというか。自分が生まれる前の初代とかじゃなくて、自分が育ってきたなかでもゴジラっていっぱいやってたやん。

キングギドラとかもあったやん。そういうのはなんとなく知ってたけど、今日「シン・ゴジラ」を観て、ようやく「あ、これやったんか!」ってなったというか。



今回のゴジラには人間全部の悲しみをすごく感じる

──「本物」を観た感じがしたと。

福岡 そうそう!

世武 私もこれまではゴジラっていうか、どちらかというと伊福部先生のファンで。自分のゴジラ体験としては、やっぱりわりと新しめのが入っていて。親子のゴジラの映画があったじゃん。あれに映画館で観に行ったときに……。

小出 あ、親子といってもいろいろあるんだよね。

福岡 ミニラとか?

世武 ゴジラジュニアかな。最後、死ぬじゃん。

小出 じゃあ「ゴジラvsデストロイア」(1995年/シリーズ第22作)だ。

世武 そう! そのときにゴジラって悲しみの塊みたいに見えたから、それにすごい共鳴しちゃったんです。ゴジラの生きざま、わかる! みたいな。わかるわけないんだけど(笑)。人間だからね。それでワーーー! ってなっちゃって、そこからゴジラが好きになったの。

小出 なるほど。

世武 それが今日、その悲しみの塊が出てきて、なんだろう……もう恋人みたいな気持ちになっちゃった。

小出 うはははははは!

世武 また「ザ・フライ」みたいになっちゃったけど(前回の連載[後編]を参照)。ハエからのゴジラ(笑)。もう本当に、自分の分身みたいな……。

小出 (笑)。いや、素晴らしいよね。

世武 私はコイちゃんみたいな知識はないから、もっと感覚的にとらえているというか。今回のゴジラには、私もなんでかわからないけど、自分の悲しみと人間全部の悲しみをすごく感じるものがあるのよ。

小出 それ合ってると思いますよ。

世武 だから変な言い方になるけどめちゃくちゃ美しいし、めっちゃエレガントだし、めっちゃ悲しいし、めちゃくちゃ孤独だし。やっぱりあのゴジラにこそ人間の生きざまみたいなのが刻まれているという。

小出 わかる。俺もそれで好きだからね、ゴジラは。

世武 やっぱりそこだよね、ゴジラの美しさって。私は庵野さんのことはあまり知らなかったんだけど、1回庵野さんの講演みたいなのに行って、すごい面白かったの。そこから今この流れがあるから、コイちゃんよりもっと狭い範囲だけど、庵野さんのリアルストーリーとかも感じながら心震わせました。

やっぱり映画って生きものだし、映画って人間だよな、みたいな。そして伊福部先生が大好きです。以上です、ありがとうございました!

福岡 お疲れさまでしたー(笑)。

──いや~、もっと話したいことあるでしょ!

TEXT BY 森 直人(映画評論家/ライター)

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これまでの「ゴジラ」を踏まえて
「シン・ゴジラ」を小出部長たちが熱く話す
[後編](8月8日配信予定)につづく

最終更新:8/8(月) 15:31

M-ON!Press(エムオンプレス)

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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