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三宅宏実“奇跡”の「銅」2大会連続メダル!腰痛耐えた…父娘二人三脚の戦い終焉へ

デイリースポーツ 8月8日(月)6時2分配信

 「リオ五輪・重量挙げ女子48キロ級・決勝」(6日、リオ中央体育館)

 ロンドン五輪銀メダリストの三宅宏実(30)=いちご=がスナッチ81キロ、ジャーク107キロのトータル188キロをマークし、銅メダルを獲得した。直前に悪化した腰痛に苦しみ、スナッチを2本連続で落とす崖っぷちに立たされたが、執念のリフトで耐え抜き、2大会連続のメダルを勝ち取った。

 日本が誇る力持ちのヒロインが、執念の逆転劇をみせた。最後の試技。ジャークの107キロを挙げ、5位から3位に浮上し2大会連続のメダルを決めると、「やったぁ~!」と跳びはねて歓喜を爆発させた。そして監督の父・義行さんと抱き合い舞台を降りようとした後、思い返したように再び中央に戻り、バーベルを抱きしめた。

 「バーベルは16年間ずっと一緒に練習してきたパートナー。メダルが獲れた時に、バーベルに『ありがとう』と伝えたかった」

 直前に悪化した腰痛の影響は深刻だった。試合の3日前には競技人生で初めて痛み止めの注射を打ち、この日も鎮痛剤を飲んで舞台に上がった。さらに寒暖差の激しいリオの気候に、減量も思うように進まず、丸一日ほぼ何も食べずに臨んだ。最初のスナッチでスタート重量の81キロを2度失敗。あと1度失敗すれば、4度目の夢舞台は記録なしで終わる。「正直、私の夏は終わったと思った」-。

 そんな崖っぷちを救ったのは、父と歩んできた16年の積み重ねだった。「何だか分からないけど、無心になれた。不思議な3本目だった」。バーベルを抱えた瞬間、お尻とひざが地面に付きそうになった。しかし、ギリギリで踏みとどまると、腕を震わせながら、力強く腰を上げ成功。「あれは奇跡」と笑いながら「最後まで諦めず、自分を信じた結果」と胸を張った。

 バーベルを挙げる時間はわずか1・5秒。その瞬間のために、16年間、盆も正月も休むことなく、ただただバーベルを握り続けた。20年東京五輪は頭にはない。本人は「五輪という素晴らしい舞台に出たい気持ちはあるけど、4年は長い。ゆっくり考えたい」と話したが、義行さんは「16年間か。長いけど、終わってみれば昨日のことのよう。よくやったよ。宏実も30歳で、俺も70歳過ぎ。体力の限界」と、第一線を退くことを示唆した。

 日本重量挙げ史に残る堂々の2大会連続メダルを勲章として、父娘二人三脚の戦いは終わりを迎える。

最終更新:8月8日(月)6時38分

デイリースポーツ