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クレディ・スイス 超富裕層向け投資銀行を米国で設立?

ZUU online 8月8日(月)19時10分配信

スイスの大手金融機関クレディ・スイスが、米国の超富裕層を対象にした投資銀行の立ち上げ準備にはいったことが社内メモから明らかになった。

従来のウェルス・マネージメント事業とは一線を置き、融資や資本市場、M&A関連のアドバイスに焦点をあてた路線を予定しているという。

昨年、米国のプライベート・ウェルス・マネージメント業務から撤退した後だけに、戦略を練りなおしての再進出といった気迫が感じられる。

■コスト削減だけではなく、最大限の利益創出を目指す

今回の動きから、金融機関の顧客層が多様化する中、クレディ・スイスが世界各国で増加中の超富裕層顧客の獲得に専念しようとしていることがわかる。

背景には昨年6月、新たに就任したティージャン・ティアムCEOによる大規模な事業再編があり、継続価値の低い事業の縮小を図る一方で、利益創出に大きく貢献する分野を押し広げる意図だ。

クレディ・スイスは今年2月、2015年第4四半期の58億スイスフラン(約6017億5295万円)という純損失がひびき、通期決算がリーマンショック(2008年)以来の赤字となった事実を報告。2016年第1四半期も積みあがった非流動資産のポジションが要因となり、二四半期連続の赤字を記録した。

そのしわ寄せは、コスト削減というお決まりの手段で補われることになる。削減されたのはいうまでもなく従業員だ。今年にはいってロンドン、ニューヨークを中心に、すでに6000人の人員削減を実施している。

こうした犠牲を支払った代償としてか、意外にも第2四半期には純利益10億5100万スイスフラン(約1090億4178万円)で黒字復帰。

しかしティアムCEOの再編戦略はコスト削減にとどまらず、最大限の利益創出という方向を目指している。

■大衆に歩み寄るライバル企業とは正反対のアプローチ

新たな事業展開に向け、UBSの元COO、チャールズ・バックリー氏を迎えの出陣となるが、裕福な起業家、天然エネルギー、バイオ技術、通信産業などの事業主に顧客層を絞りこみ、既存の投資銀行とはひと味違った戦略をとるようだ。

クレディ・スイスが特に超富裕層が急増中のアジア地域で、ウェルス・マネージメント事業の拡大を狙っている件については以前から報じられていた。アジア超富裕層の資産総額がついに北米を上回ったことは、フランスの国際コンサルティング会社、キャップジェミニの調査からも明らかになっている。

超富裕層にのみ目をむけるというクレディ・スイスの新戦略は、近年懸念が高まる貧富の格差を露骨に体現化したものであり、激化する生存競争に勝ち抜く手段として、「消費者に優しい」イメージに方向転換を図ろうとしている多くの銀行とは、正反対のアプローチだ。

最近の一例を挙げると、クレディ・スイス同様に「富裕層の投資銀行」として名高い米ゴールドマン・サックスが、顧客層拡大戦略の一環として、1ドルから口座開設可能な一般消費者向けオンライン・バンキング・サービスを開始し、世間を驚かせた。

大手金融機関が数々のスキャンダルや業績不振に見舞われた結果、大量リストラによって大衆を切り捨てながら大衆側に歩みよろうと画策しているのに対し、クレディ・スイスはあえていい訳めいた謝罪をつけることなく、「最大限の利益創出」という道を選ぼうとしている。へたな下心が見え隠れしないぶん、ある意味潔いといえなくもない。(ZUU online 編集部)

最終更新:8月8日(月)19時10分

ZUU online

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