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「純正」が「格安」に圧勝――「格安SIM」2サービスの実効速度を比較(au回線7月編)

ITmedia Mobile 8月8日(月)11時44分配信

 MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大150Mbps」「下り最大225Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。

【午後(昼)は圧勝具合がさらに……】

 そこで、本企画では各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介している。前回は2016年7月編のドコモ系MVNOの通信速度をリポートしたが、今回はau系MVNOだ。本企画がMVNOサービスを選択する際の一助になると幸いだ。

●通信速度の調査方法

 今回、テストを行ったのは以下のau回線を使った3サービス。

・UQ mobile
・mineo
・au(LTE NET)

 今回の計測から、SIMカードをau VoLTEサービスに対応したものを使うことにした。いずれも高速通信に対応するものだ。これらのうち、auの「LTE NET」は、au純正のスマホ・タブレット用のネット接続サービスだ。

 au VoLTE対応のSIMカードを使う場合、au純正の対応端末でもSIMロック解除が必要となる。そこで、今回はSIMロックを解除した「Xperia Z4 SOV31」を使って速度計測を行った。同機種は下り最大225Mbps(理論値)の高速通信が可能だ。

 詳しい調査条件は以下の通りだ。

・計測端末:Xperia Z4 SOV31
・計測アプリ:RBB TODAY SPEEDTEST
・計測時間帯:平日午前(8時50分~)、午後(12時20分~)、夕方(18時~)の3時間帯。
・計測場所:JR横浜駅西口(午前、午後、夕方)、東京都千代田区のアイティメディア社内(午後のみ)
・計測回数:各時間帯・場所で1サービス、上下3回ずつ(平均値を掲載)

 ドコモ編でも触れたが、アイティメディア社内での計測は今回から東京都千代田区紀尾井町の新本社で行っている。

 通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再測定とした。本企画で紹介する通信速度は、時間帯や場所によって大きく変化するので、記事で紹介されている数値を100%うのみにせず、あくまで参考値としてご覧いただきたい。

 au回線の測定は1台のXperia Z4を使って順番に行ったため、測定時間は分単位では異なる。測定時はドコモのMVNOを含めた3台同時になり、やや各SIMの測定間隔は広がっている。というわけで、全てのサービスを同時に測定したわけではないことをご理解いただきたい。

●平日午前:測定端末変更の効果? au純正回線が爆速!

 今回の測定は7月25日(月)と26日(火)にJR横浜駅西口前、7月28日(木)に東京都千代田区のアイティメディア社内で行った。まずは26日の横浜駅での午前中の測定結果をお伝えする。

 トップはLTE NETで、下り平均90Mbpsだ。午前中のネットワークが空いている時間帯であるとはいえ、これほど高速とは思わなかった。端末の変更が大きく作用したか。

 LTE NETの派手な結果に霞んでしまったが、「UQ mobile」も下り平均29Mbps超えで十分に速い。同じ時間帯のドコモ系MVNOでは速くても21Mbps台だったので、それを上回っていることになる。

 「mineo」は下り平均8Mbps台だったが、これだけ出ていれば実際に使っていて問題になることはないだろう。ただし、6月の測定での50Mbps超えの結果と比べると大幅に下がってしまっている。混雑時の通信速度が不安になるが、果たしてどうなるか……。

 一方、上りの通信速度はいつも通り目立つような数字ではない。LTE NETが平均5.94Mbpsとトップで、UQ mobileが4.44Mbps、mineoが3.64Mbpsと3者で大きな差はない。

●平日午後:LTE NETが相変わらず好調

 引き続き26日に測定したJR横浜駅西口前。ランチタイムは通信が混雑しやすく、とくにMVNOサービスは通信速度が大幅に低下することが多い。今回もその傾向に変わりはない。

 トップはau純正のLTE NETで変わらず。混雑しやすいランチタイムでも下り平均80Mbpsを維持している。十分過ぎて全く問題のない速度だ。

 一方、MVNOサービスは、2つともに先月よりも下り平均速度がさらに悪化してしまった。UQ mobileは1.1Mbpsから0.6Mbps、mineoは0.41Mbpsから0.33Mbps、という具合だ。UQ mobileは何とか1Mbps台を切らずにいたのだが……。

 上りの通信速度はLTE NETとmineoが4Mbps台で、au系としてはいつも通り。UQ mobileの1.91Mbpsはいまひとつの結果、といった印象だ。

●平日夕方:UQ mobileが持ち直した!

 平日夕方の測定は25日に行った。au系MVNOの場合、同じ混雑時間帯でも夕方はランチタイムよりやや良くなるのが毎回の傾向で、7月も同様だった。

 トップはまたもLTE NETで下り平均47.28Mbps台だ。純正はとにかく速い。

 2位のUQ mobileは下り平均31.83Mbpsと上々の結果だ。同じ時間帯のドコモ系サービスでは、速くても約15Mbpsであることを考えると、2倍以上の速度が出ていることになる。

 3位のmineoは相変わらず苦戦中だが、それでも下り平均1.37Mbpsと「1Mbpsの壁」ギリギリで踏みとどまっている印象だ。

 上りの速度はいずれのサービスも3~4Mbps台で安定している。

●アイティメディア社内:LTE NETが下り平均26Mbps超え

 28日にはアイティメディアの会議室で測定を行っている。引っ越し先である紀尾井町でも、ランチタイムにネットワークが混みあうことは変わらない。ドコモ系MVNOでは、下り平均1Mbps未満のサービスが続出したがau系ではいかに……?

 au系サービスも、ランチタイムとなると速度は低下する。しかし、au純正のLTE NETの強さは健在だ。下り平均26.53Mbpsは何の不満もない速度だ。

 一方、MVNOサービスは苦戦している。UQ mobileがかろうじて下り平均1.55Mbpsで粘っているが、mineoは下り平均0.36Mbpsとなった。mineoについては、ランチタイムに期待でないのか……(ドコモ系MVNOの多くもそうだが)。

 一方、上りの通信速度は大きな変化が見られた。mineoが上り平均12.78Mbpsと、au系MVNOでは珍しい10Mbps以上を記録してトップに立ったのだ。これはmineoにとっては久々のうれしいニュースといえるだろう。LTE NETも上り平均10Mbpsとなかなか好調だ。UQ mobileはいつも通りで、上り平均3Mbps台だ。

●まとめ:7月はau純正のLTE NETの活躍が特に目立つ展開に

 au系サービスでは、純正のLTE NETがいつも安定して強いが、7月はとりわけその傾向が際立ち、下り平均速度では4回のテストすべてで圧勝している。下り平均90Mbps、80Mbpsと続けて記録したのは圧巻だ。

 UQ mobileはドコモ系MVNOサービスと比べれば大変良い成績といえるが、au純正を凌駕することもある「力の片鱗」は今回感じらなかった。ランチタイムに大幅に速度が低下してしまうのも痛い。

 mineoは混雑時間帯には良いところを見せられなかった。この点についてはドコモ系MVNOサービスも同様だが、mineoは昨今人気を集めていることもあってか、ドコモプラン(Dプラン)、auプラン(Aプラン)どちらも結果があまり芳しくない。常に快適な通信が可能という「プレミアムコース」の試験導入も行っているが、この動向が気になるところだ。

 7月のau系MVNOの傾向を簡単にまとめると以下のようになる。

・UQ mobile……午前と夕方に強い
・mineo……午前は良いも以後低迷 上りに期待?
・au(LTE NET)……圧倒的な強さを見せる

 MVNO勢にとっては、ちょうど新機種の投入が相次いだ時期なので、ユーザーの加入に影響しているのかもしれない。落ち着いたところで速度が向上するのを期待したい。

 今回の測定結果はあくまで参考データの1つとして役立てていただき、他のさまざまな情報も踏まえて、より良いMVNOを選んでほしい。

最終更新:8月9日(火)12時28分

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