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兵庫・加古川が生んだ衝撃のB級グルメを食らう

デイリースポーツ 8月8日(月)18時49分配信

 B-1グランプリやメディアの紹介で今や“全国区”になりつつあるド迫力グルメがある。兵庫県・加古川名物の「かつめし」だ。皿にご飯を盛り付け、その上に一口大に切った牛かつを乗せる。仕上げに特製の“デミグラス風たれ”をかけ、ゆでキャベツを添えて完成。これを箸で食べるのがかつめしの定義とされている。市内の学校給食では献立に組み込まれたり、スーパーではかつめしのたれも販売されており、地元民の食生活には欠かせないソウルフードである。ヘビーすぎる?B級グルメの食べ歩きに挑戦し、衝撃のかつめしに出会った。

 加古川市内の焼肉店「志方亭」。親子二代で経営している。メニューには「驚いてください」との文字はあるが、かつめしの写真はない。これは店側の挑戦状か。お待ちかねの「驚きのカツメシ」がやってきた。直径約30センチの大きな皿。目を疑うボリュームで白米400グラム、かつ120グラムにデミたれがたんまりとかけられている。こだわりのデミたれはフルーツ、牛すじ、野菜に、焼肉屋の強みともいえる牛の“ある部位”を一緒に煮込んでいるという。これが隠し味となって、他店と差をつけているのかもしれない。かつはオーナー厳選、和牛のリブロースを使用。フルーティーでコクのあるたれと、自社農場から直接仕入れる上質な肉の牛かつがリッチな味わいを感じさせる。あまりに大きすぎるため、シェアして食べるお客さんも多いという。ペロリと平らげる女性客もいるというから、店側も驚きを隠せない?ランチ限定の日替わり健康ジュースとドリンクバーがついて1000円。また、昼、夜ともにスープがセットになっているのもうれしい。

 かつめしの誕生は昭和20年(1945年)代にさかのぼる。加古川駅前のとある食堂で考案された「箸で気軽に食べられる洋食」というルーツからきていると言われている。

 加古川市観光協会の辰巳公哉さんによると、協会が設立されたのが2005年12月。翌2006年にのぼり作りから始め、本格的にかつめしのPRに乗り出した。時を同じくして、青森・八戸で初めてB-1グランプリが開催された。この食の大イベントに出店する活動団体を作ろうという声が挙がり、2010年に「うまいでぇ!かつめしの会」を発足。市内、近辺のみで食べられていたかつめしが、全国に名前をとどろかせることになった。

 観光協会が発行する「かつめしマップ」には、協会が作製したのぼりを掲げる90店舗の情報が掲載されている。辰巳さんいわく「市民の皆さんには、それぞれお気に入りの店が存在するんですよ」。同じかつめしでも、店舗によって随分と味が異なるという情報を入手し、2軒目に向かった。

 訪れたのは志方亭さんもよく行くという「元祖かつめし 一勝」。専門店とだけあってサイズや、肉は牛、豚など選択肢も幅広い。定番のかつめし(790円)をいただいた。ほのかな苦みがある香ばしいたれが、叩いて伸ばした牛かつに染み、白米もどんどん進む。色濃いたれも見た目以上にあっさりだ。

 今ではオムレツを乗せたオムかつめしや、ご飯に牛肉を巻き、衣をつけて揚げたかつめしバー、ご飯でかつを挟んだかつめしバーガーも存在する。辰巳さん、「かつめしの会」副会長の杉本洋一さんともに「加古川を住みたい町、訪れたい町になってもらうためのツールになれば」とかつめしに大きな期待を抱いている。今年の12月3、4日に東京・台場で開催される第11回B-1グランプリにも出店を予定している。市内、県外ではなかなかお目にかかれない地元グルメが東京でも味わえる大チャンス。杉本さんは「かつめしもそうですが、何より加古川の魅力を知ってもらえるようアピールしたい」と意気込んでいる。

 誕生から60年以上の時を経てもなお、進化し続ける加古川のソウルフード。市民が愛してやまない逸品を食べ歩きして、地元のこだわりを感じてもらいたい。(デイリースポーツ・疋田有佳里)

最終更新:8月8日(月)20時32分

デイリースポーツ