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《田村遵一群馬大病院長に聞く》患者の安全担保 確実に 調査結果 遺族に説明

上毛新聞 8月8日(月)6時0分配信

 群馬大医学部附属病院(前橋市)で起きた一連の問題は、学外有識者でつくる医療事故調査委員会の報告書や病院改革委員会の最終提言が提出されたことで、一つの節目を迎えた。病院は数々の指摘をどう受け止め、信頼回復に向けた取り組みを進めるのか。その先頭に立つ田村遵一病院長に聞いた。

―報告書や提言をどう受け止めたか。

 非常に重く、真摯(しんし)に受け止めている。医師一人の失敗ではなく、病院の古い体質が改善できていないとの指摘だった。患者の安全を担保する制度をより確実にしていきたい。ご遺族に対し、長い間ご説明できなかったことにじくじたる思いがある。調査結果をきちんと説明していきたい。

―今回の問題は地域医療にも大きな影響を与えた。

 信頼感の低下は大きい。研修医の志望も減った。すぐに診療に影響するわけではないが、年単位で徐々にマンパワーや士気が落ち、医療レベルを保つのが大変になる可能性がある。あらためて責任の重さを感じているし、早く何とかしたい。

―昨年4月に旧第1、第2外科を統合した「外科診療センター」が発足した。

 一緒にやるべきことを別々にやって力が分散し、結果的にうまくいかないことが出ていた。統合後、かなり融合は進んでいると思う。診療面でも教育面でもスケールメリットがある。院内で競争するのではなく、日本に誇れるような外科に生まれ変わらせたい。

―インフォームドコンセントの統一文書の作成や、報告制度の整備なども進む。改革の手応えは。

 多くの職員が危機意識を持って改善に取り組んでいるが、課題はそうでない人への対応だ。講演会のような研修だけでなく、演習を取り入れるなど、工夫が必要になるだろう。システムを変えても、職員がそれを守ってくれなければ意味がない。長い時間かけても「安全文化」を高めていくことが大切だ。

―今後はどんな改革を進めていくのか。

 先進医療を担うことが一つの役割。新たにビッグデータを活用したがん治療のプロジェクトを進めたい。県などと連携し、地域貢献も率先してやっていく。

 そして医療安全。「監視」するだけでなく、いかに皆でいいシステムをつくっていくかが重要だ。保健学科との縁で、世界保健機関(WHO)に指導してもらえることになった。医療安全は英語でpatient safety(患者安全)。日本に国際基準の考え方を持ち込み、発信していける大学にしたい。

最終更新:8月8日(月)6時0分

上毛新聞

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