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海外販路開拓を支援 各県と協定 需要の情報提供 ヤマト運輸

日本農業新聞 8/8(月) 7:00配信

 宅配大手のヤマト運輸が、国内産地の農林水産物の輸出拡大支援に乗り出している。海外販路の開拓を支援する協定を各県と締結。海外の物流網や人脈を生かし、現地で得た日本産に対するニーズの情報を提供したり、海外バイヤーとの商談会を開いたりしている。一方、輸送でも鮮度が落ちないように時間を短縮し、少量多品種でも請け負う。これまで難しかった夏秋イチゴの輸出に結び付くなど成果も出ている。

 同社が輸出拡大支援に乗り出したのは2年前。これまで青森、熊本、愛媛、宮崎、三重、秋田、岩手の7県と協定を結び、年内にさらに2、3県増える見通しだ。

 地方の生産者や流通業者が直接海外で販路を見つけ出すのは難しいため、同社の人脈を生かし、産地に海外バイヤーを招き商談会を開催。また、11日から行われるアジア最大の食品見本市・香港フードエキスポに同社ブースを設け、7県の生産者や業者が商談できるスペースを設ける。

 同社は香港、台湾、シンガポール、マレーシアで宅配事業を展開する。現地のレストランやスーパーのニーズを聞き取り、協定を結んだ県を通じて県内の業者に情報を提供。米国や韓国産のイチゴを使っていた香港のケーキ店のニーズを同社が提供し、熊本県産に置き換わった例もある。

 販路開拓と併せ、各県に最適な物流ルートも整えた。沖縄・那覇空港をアジアへの輸出拠点にし、地方からの輸出を迅速化。同空港は主要都市との航路が充実しており、東京を拠点にした輸出よりも便利な地域もある。

 青森県の場合、農産物を出荷した翌日に仙台、沖縄を経由して香港に届く。輸送時間が短縮したことで、鮮度を維持したまま輸出できるようになった。小ロットでも混載することで輸送費を抑え、産地からの少量出荷も可能だ。

 物流と商流の二重の支援が功を奏し、青森県のブランドトウモロコシ「嶽(だけ)きみ」など東京の市場では出回りにくい農産物の輸出にも成功した。従来の輸送ルートでは時間がかかり、傷みやすい夏秋期のイチゴなどの輸出にもこぎ着けた。

 同社が販路開拓に乗り出すのは、長期的に輸出が増えれば本業の宅配の利用が増えると見込むためだ。国際戦略室の下簗亮一氏は「工業品など成熟市場に比べ、農産物は今後伸びる余地が大きい」と活路を見いだす。(玉井理美)

日本農業新聞

最終更新:8/8(月) 7:00

日本農業新聞