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「メタルワンの厚板・鋼管・建材事業戦略」〈井上・第1営業本部長〉=「加工機能、常に見直し」

鉄鋼新聞 8/8(月) 6:00配信

――本部が対面する需要業界の見通しは。
 「建材分野は、足元では需要増加の兆しはまだ感じられないが、遅れていた首都圏案件や2020年の東京五輪に向けた物件が今年度下期からは動きだすはずであり、需要増加に期待したい」

――造船向けは。
 「足元は堅調だ。日本の造船会社は平均して18年度まで受注残を抱えているが、今年に入って新規受注が進んでいない。特にバルク船の低迷、海運用船市況の低迷が続いており、下期にかけて造船会社が生産をピッチダウンする可能性があり不安材料だ」
――建機分野について。
 「世界的に悪い。油圧ショベルの生産台数は昨15年度が過去10年間で最低だった。今年度は昨年度よりは良くなりそうだが、かなり低位での推移だろう」
――そうした環境下で、本部内の7事業につき、課題と取り組みを聞きたい。
 「造船向け厚板加工は西日本中心に四つの事業投資先がある。サプライチェーンにしっかり入り込んでおり、今は業績も安定推移しているが、今後もさらに必要とされる加工機能が何なのかを常に見直し、取引量を増やすことにつなげたい。コスト削減も進め、シェアアップを目指す」
「ブラジルの厚板加工能力を増強」
――一番厳しい建機事業については?
 「昨年度は海外4社の事業投資先(中国2社、インド、ブラジル)が振るわなかった。この立て直しが最大の課題だ。中国では杭州地区で加工能力削減を行う一方、ブラジルでは加工能力増強を行う。マーケットごとに状況を見極めながらめりはりを付けて手を打っていくつもりだ。インドは堅調に推移しており、通期の数字も期待している」
――建材事業は。
 「三井物産との合弁会社のエムエム建材は、体制固めをしながら国内マーケットの幅広いニーズに応える形で着実に進んでいる。主管として引き続き最大限支援していく」
――海外の建材事業は?
 「重仮設リース子会社のエムオーテックがベトナム工場を運営しているが、まずはこれを軌道に乗せ、その次の展開を考えたい。東南アジアのインフラ向け事業は4月まで務めていたアセアン・大洋州統括(タイ駐在)時代から検討している。地場のマーケットを大くくりにして、どう内販に入っていくか。ハードルは高いが、まだ諦めておらず将来の課題だ」
――電炉事業では昨年度、筆頭株主の九州製鋼・トーカイで資本再編を実行しました。
 「九州製鋼には引き続き39%出資し、共同販売会社にも出資している。九州製鋼・トーカイに対する鉄スクラップ供給と製品販売の機能提供は、今まで通り対応させていただく」
――資本再編によりメタルワンが経営権を握る電炉メーカーはなくなりました。新関西製鉄には出資するとともにOBが社長に就いていますが。
 「今まで通り、製品販売等の機能を果たしていく」
――海外では共英製鋼のベトナム北部事業(KSVC社)に2割出資参画しています。
 「機能を提供して役割を果たしていく。KSVC社はベトナムのインフラや住宅関連需要が旺盛なこともあり、今年度も好調だ」
――厚板の店売りは。
 「事業会社の玉造が大きな軸だが、トレーディング再興の会社方針にのっとり、お取引様各位とも協力しながらトータルでパイを増やしていきたい」
――鋼管事業は。
 「鋼管国際事業部の事業投資先はインドネシアのISTW社と米国のMAC(丸一鋼管との合弁)の2社。ISTWは黒字幅が昨年度よりも増えてきている。インドネシア経済は隣国のタイよりも早く回復するのではないか」
 「国内はメタルワン鋼管が実働部隊だが、在庫・門前機能を生かしたメタルワン鋼管のビジネスモデルを深掘りするとともに、新規のユーザーや地域を対象に横展開を図っていきたい」
――本部としての収益目標は。昨年度の純利益は全社の27%を占めました。
 「営業本部は四つあることから、全社の4分の1以上を安定的に稼ぎたい。海外収益比率を今の1割程度から3割に引き上げるのが目標で、そのためには海外事業展開を拡大していく必要がある」(一柳 朋紀)

最終更新:8/8(月) 6:00

鉄鋼新聞