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今年7月までの「チャイナリスク」関連倒産は前年の1.3倍発生

東京商工リサーチ 8/8(月) 13:30配信

 7月の「チャイナリスク」関連倒産は6件(前年同月比50.0%減)、負債総額は36億5,900万円(同19.9%減)だった。衣料品・雑貨販売の(有)アティック・プロダクト(TSR企業コード:297602640、法人番号:3010002030025、東京都、負債総額4,500万円)は、中国の協力工場との契約条項の認識違いから品質に不備が発生し、日本での追加加工が必要となり採算が悪化した。同社を含め、7月は「品質問題」を要因とする倒産が2件発生した。
 2016年1月-7月の累計件数は68件で、前年同期52件から1.3倍増(30.7%増)となった。形態別では、再建型倒産が3件で前年同期の4件から減少した。「コスト高」(42件)や「価格競争」(12件)、「品質問題」(3件)などを誘発するチャイナリスクは、経営体力の乏しい中小企業を中長期的な再建策を描くことが難しい事態に追い込んでいる。
 倒産に集計されないが事業停止や破産準備中などの「実質破綻」は、7月は1件だった(前年同月1件)。

 7月のチャイナリスク関連倒産は6件で、前年同月から半減した。しかし、「品質問題」を要因とした倒産は2件(構成比33.3%)発生した。倒産した企業の関係者は「口約束に頼った発注でしっかりと契約書を結ばなかったため、想定した品質で納入を受けることが出来なかった」と話している。中小企業は社内に法務担当者がいないケースも多く、契約時のリーガルチェックが手薄になりがちだ。グローバルビジネスではリーガルチェックは絶対条件で、商慣習の違いを精査して取引を開始しないと、予期しない追加コストや回収遅れなどで倒産に至るリスクを常に内包している。
 1月-7月累計では、「中国景気減速」を要因とする倒産が6件発生(前年同期1件)した。中国国家統計局が8月1日に発表した7月の製造業購買担当者指数(PMI)は、前月比0.1ポイント悪化の49.9で、好不況の分かれ目となる50を割り込んだ。民間投資の鈍化や過剰生産の解消に向けた動きなどが背景にあげられる。過剰生産の解消に向けた動きは今後も続く見通しで、PMIが大幅に改善される可能性は低い。このため、財務基盤が弱く中国市場で工業製品や部材などを販売している日系企業が「中国景気減速」を要因として倒産する可能性も出ている。

東京商工リサーチ

最終更新:8/8(月) 13:30

東京商工リサーチ