ここから本文です

【高校野球】周囲への感謝と被災地への思い 選手宣誓主将が見た熊本の現実

Full-Count 8/8(月) 7:10配信

実際に被災地を訪れた市尼崎主将が選手宣誓に込めたメッセージ

 第98回夏の全国高等学校野球選手権大会が7日に開幕。兵庫代表の市尼崎高校の前田大輝主将は選手宣誓を行った。4月に起きた熊本地震の被災地へ向けた激励、約100年も続いてきた高校野球への敬意、周囲の支えへの感謝を込めた素晴らしい選手宣誓だった。

過去10年の各球団ドラフト指名選手一覧

「今日、甲子園の土を踏みしめた瞬間、これまで支え、導いてくださったすべての方々に改めて感謝の気持ちがあふれてきました」

「今年は熊本で大きな地震が起こり、様々な苦しみや悲しみの中におられる方も大勢見てくださっていると思います。私たちのプレーに共感と新たな希望として生きる力を感じてくだされば本当に幸せです」

 地震の被害にあった熊本のことを単に入れたわけではない。市尼崎の選手たちは実際に被災地を訪れ、その目で現実を見ていたのだ。

 市尼崎の竹本修監督は熊本県出身。九州学院から中京大学、阪急、オリックスを経て教員になった。チームはその関係で毎年、九州遠征に出ている。竹本監督は今年6月にも九州を訪れた時に熊本城を見に行った。城は大きな被害を受けていた。選手たちは言葉を失った。

高校野球から元気を―

 今年、始球式には熊本の阿蘇中央高校の倉岡主将、入場行進の先導役に熊本・東稜の山門主将が指名された。選抜高校野球から設置されたバックネット裏席のドリームシートには地震の被害の大きかった益城町にある益城中学校の生徒たちが招待されるなど、少しでも高校野球から元気を届けようという雰囲気が作られた。

 選手たちも何か力になれることはないだろうかと考え、前田主将は選手宣誓にメッセージを盛り込んだ。これは熊本だけの問題ではなく、自分たちも同じ思いを共有したい、少しでも高校野球から喜びを提供できればいいと、精いっぱいプレーすることを胸に誓った。

 何ができるかはわからない。ただ、ひたむきなプレーは心に響く。熊本県内では地震直後、野球をやりたくてもできない時期もあった。益城中学校の生徒たちも野球を一時、奪われた。再び野球をできることになった時は心の底から喜び、白球をみんなで追いかけた。仲間に会えたこともうれしかった。追いかける1個のボール、ひとつのプレーがすべて笑顔につながっていた。

 前田主将は最後に宣誓で「これからの100年も高校野球が皆様に愛される存在であり続けるよう、未来への架け橋として、ここ甲子園で一生懸命最後までプレーすることを誓います」と言った。熊本の現実を見て、支え合っていくことの大切さを後世に伝えていくことが今大会の宿命だと受けとめいるようだった。

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

最終更新:8/8(月) 7:10

Full-Count