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古代ロマン伝えて半世紀 横須賀出土の土器など150点

カナロコ by 神奈川新聞 8月8日(月)11時45分配信

 地元で出土した考古学資料を集めた個人運営の考古館「玉泉考古館」が、横須賀市長井で50年近くにわたって歴史を刻み続けている。理容店を営む玉泉史郎さん(69)の亡父が1966年ごろ、店舗に併設した。縄文時代の土器など約150点を展示。子どもたちに郷土史を伝えたいとの思いを受け継ぐ空間として、50年の節目に思いを新たにしている。

 玉泉さんの亡父、正夫さんは、戦後に理容業を始めた。本業の傍ら、近くの海岸に掘られた防空壕(ごう)の残土から勾玉(まがたま)などが見つかったことを知り、古代ロマンにも魅せられた。

 1950年から数年間、出土品を採集。客だった左官業の男性からアドバイスをもらうなどして、独自の復元方法も編み出した。「2~3日間徹夜して土器の復元に没頭することもあった」。史郎さんは父の熱中ぶりを振り返る。

 正夫さんは店舗の新築に合わせて、「玉泉考古館」を2階に開設した。店の向かいに小学校があることもあり、「この地域で大昔から生活があったことを子どもたちに知ってほしい」との思いからだった。縄文時代から奈良時代にかけての土器や矢尻などを展示し、地域に開放。子どもたちに土器の作り方を教えることもあり、「町の考古学者」として親しまれた。

 正夫さんは98年に82歳で亡くなるまで、理容師としても現役を貫きながら、古代ロマンを地域に伝え続けた。正夫さんを知る市自然・人文博物館の学芸員は「長井の郷土の歴史に大きな足跡を残した」と話す。考古館は現在、史郎さんが理容店を営みながら志を継いでいる。

 見学は予約が必要。問い合わせは、玉泉さん電話046(856)0612(火曜休業)。

最終更新:8月8日(月)11時45分

カナロコ by 神奈川新聞