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[ニュース分析]THAAD配備先で窮地の朴大統領、中国と野党に矛先

ハンギョレ新聞 8月8日(月)12時2分配信

大統領府が中国を直接批判した理由 「共に民主党議員の訪中」に対する立場表明で 大半が中国を批判する内容に 当分の間、韓中関係の冷え込みは避けられない見込み

 大統領府が7日、高高度防衛ミサイル(THAAD)配備と関連し、中国政府を直接批判したのは極めて異例のことである。先月のTHAAD配備発表以降、中国の激しい反発が続いたが、大統領府は両国関係を考慮し、公式の立場の表明を控えてきた。同日、大統領府が中国を批判するとともに、共に民主党の初当選議員らに訪中の再検討を求めたのは、今月4日、「THAAD配備地の移転の可能性」に言及したことで守勢に追い込まれた朴槿恵(パククネ)大統領が、中国と野党に矛先を変えて、局面転換を図ったものと見られている。高度の外交的努力が必要なTHAAD問題での国内政治的な観点によるアプローチとの批判の声があがっている。

 大統領府のキム・ソンウ広報首席は同日午後、春秋館で記者団に「共に民主党議員たちの訪中に対する大統領府の立場」を説明した。ところが、その大半は「中国批判」が占めていた。キム首席秘書官はTHAAD配備の決定と関連した中国官営メディアの批判的報道に対し、「本末転倒」と反論した。中国共産党機関紙の人民日報は社説に当たる3日付の「鐘声」で「韓国の指導者は自国の安危を米国のTHAADシステムと連携させることにこだわっており、地域安定を破壊して、公に周辺大国(中国とロシア)の安保利益を損なうことも厭わない」として、朴槿恵大統領を直接狙って批判した。当時、大統領府は論評や立場表明を行わなかった。大統領府がTHAAD配備の決定をめぐる韓中両国の激しい対立の前面に出るのは、ただでさえ危うい韓中関係を管理するのに否定的影響を与える可能性が高いと判断したからだ。これまで中国の態度に対し大統領府内部に強い反感が存在したにもかかわらず、公式の意見表明を控えてきたのも、そのためだ。政府も、(人民日報の社説が掲載された)翌日の4日、「政府当局者」の発言の形で「一方的な主張は遺憾」という簡単な非公式コメントのみを発表した。

 しかし、同日、大統領府が「本末転倒」や「隣国の顔色をうかがう」などと、外交的に露骨な表現を使用してまで、いきなり攻勢的な態度に転じたのは、最近のTHAAD配備地をめぐる国内の議論を意識したものとみられる。大統領府は同日、共に民主党所属の初当選議員6人の訪中計画について「重大な安保問題に関しては、国益を最優先にするのが責任ある政治家としての役割であり、政府と事前に協議しなければならない」として強く批判した。また、「結果的に中国側の立場を強化し、韓国内部の分裂を深める機会になる」として、THAAD配備と関連して反対の立場を表明する中国と野党を「国家安保の阻害勢力」と規定した。朴大統領の「THAAD配備の第3の候補地検討」発言が政策混乱をもたらしたとする批判の声が高まったことを受け、「THAAD=国家安保」の論理を掲げて支持層の結集を狙ったものと分析される。また、地域住民の反発と中国の経済報復の可能性などで不安な状況の中、野党議員らの訪中が「THAAD反対」世論の強化に繋がりかねないとの懸念もあったものとされる。

 こうした大統領府の攻勢により、韓中関係と対野党関係が「冷え込む」のは必至の情勢だ。ただし、中国政府が、キム首席秘書官が明らかにした「大統領府の立場」に対し公に反論する可能性は低いものと見られる。「内政不干渉」は中国の対外政策の長年の不文律だ。しかし、大統領府の立場が、韓中関係になにも影響を及ぼさないことを期待するのは難しい。外交部関係者は「大統領府の立場」表明が、韓中関係に及ぼす波紋についてノーコメントを貫いた。

チェ・ヘジョン、イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:8月8日(月)12時2分

ハンギョレ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。