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慶応と野村HDのベンチャー投資、調達目標額を50%増の150億円に

Bloomberg 8月8日(月)11時28分配信

慶応大学と野村ホールディングスは共同で始めたベンチャー投資事業で、今後調達する資金総額を当初計画より50%増やし150億円規模とする方針だ。新たな成長分野に挑戦するスタートアップ企業への国内金融機関などからの旺盛な投資ニーズが背景にある。

慶応イノベーション・イニシアティブの山岸広太郎社長はブルームバーグの取材で、先月クローズした1号ファンドの総額は約50億円と計画を5割程度上回ったと述べた。今後新たに設定するファンドの規模も拡大する見通しで、株式上場により10年間の投資リターンは4倍、内部収益率(IRR)15%を目指す考えも明らかにした。

慶応大と野村は2015年12月に同社を設立。大学とグローバル投資銀行が共同運営する初のベンチャーキャピタル事業となった。経済産業省によれば大学発ベンチャーは15年12月末時点で1773社。黒字は全体の56%と前年の43%から増加、低金利下でメガバンクや地銀、生保、事業会社がベンチャー投資に関心を寄せている。

グリーの共同創業者でもある山岸社長は慶大三田キャンパスで行ったインタビューで、「大学発の技術系ベンチャーへの投資家の期待と慶応の研究への関心が高まっている」と指摘した。またスタートアップへの投資をめぐる「競争は厳しい」とし、そうした中で「ファンド規模は大きい方が交渉力がある」と述べた。

低金利が追い風に

ブルームバーグのデータによれば、8月5日時点で東証マザーズ市場に上場する時価総額の上位10社のうち半数が、大学発の技術系ベンチャーだった。

慶応イノベーションの1号ファンドには、三井住友フィナンシャルグループ、第一生命、みずほフィナンシャルグループ、スルガ銀行、東邦銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループのほか、グリーや東京放送ホールディングス、ヤフーのCVCなどが出資している。

山岸社長は「ここ最近の低金利が追い風になった」と述べ、2号、3号ファンドと合わせ今後10年以内に150億円程度の調達にしたい考えを示した。1号ファンドでは今後3-4年以内にITやロボティクス、医療・介護、バイオインフォマティクス、再生医療の4分野20社に出資する方針で年内に5案件をまとめたいとしている。

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最終更新:8月8日(月)17時6分

Bloomberg