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ニッセンの業績不振を招いた「価格訴求」。なぜお客は離れたのか?

ネットショップ担当者フォーラム 8/9(火) 8:01配信

完全子会社化を前提にセブン&アイグループへ経営支援を求めたニッセンホールディングス。中核子会社ニッセンの価格優位性が失われ業績が急速に悪化、2016年中間期までに自己資本比率は0.1%まで低下した(純資産は6900万円)。2016年中に債務超過へ転落し、資金繰りに重大なリスクが生じる事態にまで陥った要因の1つに、「低価格路線」の行き詰まりがあげられる。通販業界の成長をけん引してきた大手通販はなぜ不振に陥ったのか――。

急速に減少した顧客数、4年で200万人の“ニッセン離れ”

「アパレルSPA(製造小売)としての価格優位性が失われた」。ニッセンの業績低迷について、複数の通販業界の関係者はこう説明する。

総合通販企業を代表するニッセンは、アパレルや家具(2016年に撤退)などで「値ごろ感」を訴求し、実店舗への優位性を確保してきた。

だがその優位性は、ユニクロや「しまむら」などのファストファッションの台頭、ネット通販の急速な浸透などによって崩れていく。

2016年2月に開いた決算発表会。ニッセンHD・市場信行社長は「価格訴求から価値訴求への商品政策の大幅な転換」を打ち出したものの、時すでに遅し。「低価格」訴求で集まった顧客の“ニッセン離れ”は加速していた。

ニッセンの2016年中間期における稼働顧客数は160万人。1年前(2015年中間期)比で35.6%減、89万人も稼働顧客数が減少している。

この客離れは約4年前から始まっていた。2011年を境に減少傾向が続く稼働顧客数。ピーク時(2011年通期)に539万人だった稼働顧客数は、2015年通期で332万人に減少。わずか4年間で200万人強の顧客が減少したのだ。

ニッセン関連事業(カタログ売上、ネット売上、BtoB売上、その他)の売上高は2011年通期の1343億円から、2015年通期には842億円に減少。客数の減少とともに売上高は急速に落ち込んだ。

こうした状況について、“ネット化への遅れ”を指摘する声があるが、2015年決算では、ニッセン売上の約67%がネット経由。ニッセンは2000年、本格的にECを開始。着実にEC化率を高めてきた。スマホ対応も進め、2015年時点では売上高の3割強をスマホ経由が占めている。

では、なぜ顧客離れが加速したのか? それは、「低価格路線」「ネット化による環境の変化」が起因しているのだろう。

「しまむら」などファストファッションの台頭、既存小売業のネット化、低価格ファッションを売りにするネット専業の台頭など、流通形態の多様化が進み、消費者の商品購入行動は複雑化している。

競合の増加、消費者の購入行動の多様化が、「低価格」を売りしていたニッセンの価格優位性を失わせることに。消費者にとって実店舗・ネット・テレビなどさまざまなチャネルで商品を購入できる環境となり、ましてや「デザイン性」「機能性」などの比較検討はネットで簡単にできる――。

ファッションなどの購入の際、価格優位性を失ったニッセンを選ぶ消費者は、急速に減少した。

ニッセンHDがセブン&アイグループのTOBにより、連結子会社化となったのは2014年1月。セブン&アイグループ傘下入り後、初決算となった2015年2月に発表した決算説明会資料では、「不採算事業・ノンコア事業の整理・縮小」として、ニッセンの収益回復に向けた改善策を発表した。

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最終更新:8/9(火) 17:46

ネットショップ担当者フォーラム

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