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「不倫」で伸し掛かる経済的な負担はいくら?

ZUU online 8/9(火) 10:10配信

芸能人の「不倫」報道が相次いでいる。実際、不倫がばれたら「慰謝料が必要」ということは誰もが知っているはず。それでも、その現実的な金銭リスクがどれくらい大変なものかが分かっていたら、もしかしたら踏みとどまれる人もいるかもしれない。

■離婚での分与された財産には贈与税はかからない

不倫が理由で離婚とあいなった場合、財産分与する必要がある。この財産には通常、贈与税がかかることはない。これは国の考え方として、「相手方から贈与を受けたものではなく、夫婦の財産関係の清算や離婚後の生活保障のための財産分与請求権に基づき給付を受けたもの」と考えられているためである。

ただし、現実的に分与された財産の額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多過ぎる場合は、その多過ぎる部分に贈与税がかかることもある。

そのほかにも、税金がかかる財産分与がある。財産分与が土地や建物などで行われたとき(持ち家を財産分与した場合)は、分与した人に譲渡所得の課税が行われる。

この場合、分与した時の土地や建物などの時価が譲渡所得の収入金額となる。分与を受けた人は、分与を受けた日にその時の時価で土地や建物を取得したことになるので、将来、分与を受けた土地や建物を売った場合には、財産分与を受けた日を基に、長期譲渡になるか短期譲渡になるかを判定することになる(長期譲渡か短期譲渡かで税率が異なる)。

不倫をした側は、持ち家も失い、そのうえその税金まで支払う必要がある。ローンまで残っていたら本人が住んでいない場合、住宅ローン控除も受けられず散々な結果になるのだ。

■示談金や慰謝料も非課税

離婚の示談金と不倫の慰謝料は非課税となる。もらう側は丸々もらえるということである。

所得税法の施行令に「心身に加えられた損害につき支払いを受ける慰謝料」については非課税にするという規定がある。示談金も同様に非課税となる。慰謝料の相場は明記されておらず、ケースバイケースとなるが一般的な金額が記されている。

離婚も別居せず夫婦関係を継続する場合は、50万円から100万円。浮気が原因で別居に至った場合は、100万円~200万円。浮気が原因で離婚に至った場合は、200万円~300万円だ。

慰謝料を支払う先は配偶者だけではない。あなたが男性で、相手の女性も既婚者だった場合、そちらから請求される場合もある。ダブルで慰謝料を支払う必要があるのだ。

■養育費も非課税

子どもがいる場合はどうだろうか。養育費は非課税だ。相続税法では、「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」については、贈与税の課税価格対象としないと定められているのだ。

養育費は子どもの扶養義務に基づくものであるから、「通常必要と認められるも」であれば、贈与税はかからない。

しかし、将来分も含めて一括して養育費を支払った場合はもらう側は課税の対象となるので注意が必要である。

■生命保険料契約などはどうなる?

配偶者を生命保険金の受取人とする生命保険契約の保険料を毎月支払っていた場合について考えよう。

解約もしくは受取人をすぐ子供に変更すれば、生命保険料控除の対象となるので手続きは済ませておきたい。

生命保険料控除の対象となる生命保険契約等とは、その保険金等の受取人のすべてが、自己又は自己の配偶者その他の親族であることが要件となっている。あなたの奥さんは離婚した時点で配偶者ではなくなるので、保険料を負担しても控除の対象とはならないのである。

生命保険料控除の対象となる保険料等に該当するかどうかは、保険料などを支払った時の現況により判定することとされている。

このように、失うものばかりである。愛妻家のタレント土田晃之氏は「単純に浮気がバレて離婚になってもいいの?」「もしそうなれば、大好きな4人の子供や嫁と一緒に暮らせなくなる。家も持っていかれるだろう。そして子供たちが成人するための養育費や慰謝料を全部合わせたら総額で2億円くらいになるのではないか」と発言している。「不倫に2億円の価値があるのか」と説いているのだ。慰謝料、税金、財産分与……。すべては自己責任である。

眞喜屋朱里(税理士、眞喜屋朱里税理士事務所代表)

最終更新:8/9(火) 10:10

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