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加藤ミリヤが魅せた! 圧倒的なパフォーマンスとイマジネーションによる“未だかつてない”自由/レポート

エキサイトミュージック 8/9(火) 15:00配信

 
加藤ミリヤ/【“DRAMATIC LIBERTY” tour 2016】ライブレポート
2016.08.04(THU) at さいたまスーパーアリーナ
(※画像10点)

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私たちにはつかみ取れる自由があります。
大切なみんなだから、いつでも幸せでいてほしい。 ――加藤ミリヤ

今年3月に約2年ぶりとなる8枚目のオリジナルアルバム『LIBERTY』をリリースした加藤ミリヤは、4月からは本作を携えて22か所24公演に及ぶ全国ツアーを開催。8月4日、さいたまスーパーアリーナでツアーファイナルを迎えた。

デビュー以来、常に自らのクリエイティビティに高い純度で向き合い、比類なき世界観を構築してきた彼女。この日のライブで、「私の伝えたいメッセージはステージに全て詰まっています」と語ったように、細部にまで完璧主義者である加藤ミリヤのこだわりが貫かれていた。



開演を告げるアナウンスが流れ、12,000人の期待が最高潮に膨らむところへピンク色の光に包まれながら巨大なピラミッドを思わせるセットの頂点に鎮座して加藤ミリヤは威風堂々と現れた。ファーのショートジャケットから背中には天使の羽が生えている(!)。ピンク色に統一した衣装はガーリーでありながら媚びないカッコよさが漂う。ライブは多幸感溢れるムードの「WANNA BE」で開始を告げた。

続いて巨大なスクリーンにエキゾチックなネオンが映し出されて人気曲「ディア ロンリーガール」のイントロが流れると、大歓声が沸き起こった。「みんな、楽しむ準備はできてる?!」と呼びかけるやいなや、高揚感あふれるEDMによる「I miss you」へとなだれ込んだ。

「FASHION」ではピンクの羽を脱ぎ去り、ゴージャスなスパンコールのトップスに光を集めながらフロアの中央に設けられたセンターステージへと花道をダンサーたちを従えながら練り歩き、観客を沸かせた。センターステージでは、話題のダンスパフォーマンス集団「東京ゲゲゲイ」と「Lonely Hearts」をコラボ。ミリヤの情感豊かなヴォーカルに乗せて、学校などでの孤立からの自由をシアトリカルに訴えた。


のっけから5曲をノンストップで駆け抜けたかと思えば、続くセクションでは機械仕掛けのユニコーンに乗って登壇。衣装を変えたミリヤは、まるで初めて空を飛んだ頃のパイロットか気高きレジスタンスを思わせる。高貴で獰猛、清らかさをも表すという伝説の一角獣を手なづけるかのように力強く歌い始めたのは、アルバムの表題曲でライブを象徴する「LIBERTY」だった。

歌い終わると、まるでポールダンサーのように上段から見事にステージへと滑り降り、ハードなロックチューンに合わせてダンサーとパンチを打ち合うようなパフォーマンスを披露。その姿を通して語らずとも、自由を得るためには闘うことも必要なのだと伝えていた。

熱い闘志をみなぎらせた次の瞬間、オーガニックなサウンドの「うたかたの日々」ではグリーンの光に優しく包まれながら柔らかに歌い、「Never Call Me Again」では「一緒に歌いましょう!」と呼びかけながら、花道をゆっくりと歩いては観客一人ひとりに向けて手を振って笑顔を投げかけた。


3つ目のセクションはバラードを中心に構成。「みんなへの思いを(綴った曲を)歌います」と告げた「H.I.K.A.R.I.」では、レゲエのビートに合わせるように極彩色な世界を展開。カラフルな衣装のダンサーたちの中でも、真っ赤なマタドール風衣装を着たミリヤはひときわ輝いて見えたのは言うまでもない。アコースティックギターを携え、自らかき鳴らしながら温かなメッセージを歌い上げた。

「天国のドア」では、長く赤いケープを引きずるようにしてステージ中央に設けられた階段を一歩、一歩登って行ったのだが、それがまるで映画のワンシーンのようにドラマチック。観客から背を向けて歌い続ける姿はむしろ雄弁で、どこか神々しくすら見えた。シンフォニックなサウンドに彩られた「What You Back」、ピアノから厚みあるバンドサウンドへ展開する「Love is...」など、多彩なバラードを表情豊かに歌い分けるさまから、加藤ミリヤというアーティストが優れたバラードシンガーでもあることを改めて痛感させられた。

ダンサーたちによるミュージカル仕立てのインターバルを挟んで、いよいよライブは終盤戦へ。フラメンコダンサーを彷彿させるモノトーンのロングドレスをまとって現れたミリヤに、観客は再び歓喜した。フラメンコギターを取り入れたバンドサウンドとどこかフォーキーな匂いも感じる「少年少女」は、先鋭のサウンドを追求してきたミリヤが新たに貪欲に取り組んだ今までにない機軸の楽曲と言えるかもしれない。


圧倒的な独唱から始まった「リップスティック」。「ディア ロンリーガール」の10年後を歌ったというこの曲は、28歳のミリヤにも、それを受け止める観客に取っても切実なリアルそのものだろう。だからこそ、場内の誰もが惹きつけられるように彼女の歌を聞き入ってしまうのだ。

ここまでほぼMCはなく、歌とパフォーマンス、そして壮大かつ緻密な演出で「LIBERTY」を証明し続けてきたミリヤ。「楽しんでますか! ツアーファイナルに来てくださり、本当に本当に本当に本当に……ありがとうございます。気合い入れてステージに立ってます」と挨拶し、ようやく素顔をのぞかせた。

「みんなとおしゃべりできるのはここだけなので、伝えたいことがいっぱいあります(笑)。今回の『LIBERTY』というアルバムは、つかみ取った自由がテーマになっていて、(ライブを通して)“いまだかつてない自由”を表現したいと思ってやってきました。まずは、みんながとにかく楽しいと感じたり、驚いてもらえることを考えながら作ったし、そこには1つ1つメッセージが散りばめられています。私自身10年以上やってきたからこそつかみ取れた自由があると思うし、さらに新しい自分をつかみたいと思ってアルバムを作りました。だから、今までのルールは無視して作ることができました」


語る言葉に耳を傾けるほど、この日のステージには集団からの自由、束縛からの自由、偏見からの自由、そして過去の自分からの自由……などが散りばめられていたことを改めて気付かされた。多くの自由を得るため、加藤ミリヤはどれだけ闘ってきたのだろうと思いをはせると、胸が熱くなった。

10月に新曲をリリースすると発表されると、ファンはますます大喜び。「では、次の歌はみんなの声を聴かせて! 歌ったりラップして、大きな声を出してください」と優しい笑顔で言い、「今夜はブギー・バック」へと誘った。大合唱するオーディエンスにマイクを向けるミリヤの顔は、とても嬉しそうでリラックスして見えた。

痛快なバンドサウンドに心が鼓舞されるナンバー「HIGHER」、そしてラテンビートで華やかにバージョンアップしたヒットチューン「HEART BEAT」でますます場内はヒートアップ。ダンサブルな「ピースオブケイク―愛を叫ぼう―」で本編はハッピーな大団円を迎えた。


熱心なアンコールの歌声に導かれ、レトロで色鮮やかな着物をガウン風に着こなしてミリヤが再登壇。パンクな町娘とでもいうべきヘアスタイルも含め、本当にハイセンスな衣装だ。今回のツアー衣装は全てアンティークだと終演後に教えてもらったのだが、古き良きものを最先端のハイファッションに昇華するのもまた実に加藤ミリヤらしい。

「行くよ!」の呼び声とともにキャッチーなダンスチューン「FUTURE LOVER-未来恋人-」を歌い始めたミリヤ。佳境に差し掛かると、華々しくキャノン砲がピンク色のテープを撒き散らして、自由を謳歌するかのように光溢れるステージは幕を下ろした。

「メッセージはステージに全て込めました。私たちにはつかみ取れる自由があります。大切なみんなだから、いつでも幸せでいてほしい。そして最高にすごい景色を一緒に見るために、頑張って頑張って、頑張っていきましょう!」



加藤ミリヤが投げかける言葉は、いつだって前向きで力強い。「今年の後半も止まりません! 突っ走っていきます」と最後に宣言したように、彼女はこの先もパワフルなオーラでたくさんの人の心に明るい自由の炎を灯し続けるだろう。
(取材・文/橘川有子)

最終更新:8/10(水) 14:45

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