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海老沼また頂点届かず悔しい銅メダル「一番悔いが残る試合」

デイリースポーツ 8月9日(火)6時2分配信

 「リオ五輪・柔道・男子66キロ級・3位決定戦」(7日、カリオカアリーナ)

 ロンドン五輪銅メダリストの海老沼匡(26)=パーク24=は準決勝で世界王者の安バウル(韓国)に敗れ、3位決定戦でブシャール(カナダ)に一本勝ちし、2大会連続で銅メダルを獲得した。日本勢は男女軽量2階級で銅メダル4個となり、全て決勝進出を逃したのは、女子が正式競技入りした92年バルセロナ五輪以降では初の不振となった。

 真一文字に結んだ唇は震え、目にはじんわりと涙がにじんだ。2大会連続の銅メダル。「たくさんの人が金メダルを期待してくれていた。情けない…」。男子軽量級のエース海老沼も頂点には届かなかった。

 安との準決勝は死闘となった。序盤に相手に指導を与えたが、圧力を強めた安に押し返され、残り30秒で指導を受け、並ばれた。延長に突入したが、疲れからか腹筋がけいれんした。

 攻勢を弱めた瞬間を相手に突かれ、有効を奪われた。「一番退いてはいけないところで退いた。僕の柔道人生において、一番悔いの残る試合」と唇をかみしめた。

 最愛の人に金メダルをかけてあげたかった。14年12月に結婚した元柔道選手の香菜夫人(旧姓阿部)は、ある手紙を握りしめスタンドで見守っていた。元世界選手権代表でもあった夫人。結婚後、サポートに徹するため引退し、最大11キロに及ぶ過酷な減量を支えてくれた。海老沼はリオ出発前に妻に手紙をつづった。

 「覚悟を持って行ってきます。最高の柔道を香菜の目に焼き付けてほしい」-。

 自分を責め、うつむく夫を見つめながら妻は言った。「彼らしい戦いだった。金メダル以上に立派なメダルだと思います」。ロンドンと色は変わらない。それでも夫婦の絆の分だけ、重みを増した銅メダルだった。

最終更新:8月9日(火)7時37分

デイリースポーツ