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竹 食材で脚光 “厄介者”の汚名返上

日本農業新聞 8月9日(火)7時0分配信

 各地の農山村で竹がはびこっている。林野庁によると2012年の竹林面積は16万1000ヘクタールと、30年前より1割増えた。日用品の材料に使われてきた竹がプラスチックに代わり、頼みのタケノコも安価な海外産に押されて、管理が行き届かない竹林が増えたためだ。農家の高齢化も追い打ちを掛ける。そんな農山村を救おうと竹炭などの粉を食品と混ぜ、コーヒーやパスタにして打開しようという動きが出てきた。

炭入りレシピ続々 コーヒーパスタ・・・ 富山県立大と市民組織連携

 「黒河タケノコ」の生産地、富山県射水市。竹林は荒廃が進み、産地にかつてのような勢いはない。JAいみず野によると15年の生産量は15.9トンと10年前の3割しかない。農家戸数は4分の1になり面積も半減した。

 同市のタケノコ農家、土合正夫さん(66)は「昔は竹を燃やして処分していたが、近隣に住宅が増えて環境上、問題になる。このままではタケノコの品質にも影響する」と困惑する。竹林はカモシカやイノシシの格好の隠れ家となり農作物被害も発生、危機感を募らせている。

 厄介者の竹を宝に変えようと、動きだしたのは市民だ。富山県立大学の学生と同市の任意団体「きららかネットワーク」が13年、地元企業などに働き掛けて開発したのは「竹炭ささやきコーヒー」。コーヒー1杯(130ミリリットル)に、10~15ミクロンに粉砕した竹炭粉2グラムが入り、コーヒー豆の雑味を吸着し「すっきりした味わいになる」と好評だ。市内のコーヒー店「セブンラックカフェ」で1杯420円で販売、店の看板商品となった。

 パスタやパン、そば、ソフトクリーム、コロッケ、ピザなどにも広がった。市内のイタリアンレストラン「フェリシーナ」は、竹炭粉入りパスタに地元産小松菜と白エビ入りトマトクリームソースをあえて提供。「竹炭パスタの店」として知名度を得た。同市のパン店「トントンハウス パスコ店」は竹炭食パンを1斤(310グラム)270円で販売。灰色の生地はしっとりと柔らかく、多い日で1日20斤は売れ、県外から買いに来る人もいるという。

 同ネットは今年から、竹炭粉を生地に使ったピザ作りを始めた。代表の堺谷陽平さん(26)は「ピザをきっかけに若者を農山村に振り向かせたい」と意気込む。

 同ネットは、竹炭粉作りで得た収益を活動資金に充てる。15年の竹炭粉の生産量は700キロで、設立当初(13年)の3倍以上になった。

 竹の活用に詳しい広島大学生命環境学部の荻田信二郎教授は「射水市のように地域の竹を活用して数多くの食品を開発した事例は珍しい。各地で竹林の荒廃が進む中、竹で地域活性化を目指すことは重要だ」と話す。

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最終更新:8月9日(火)7時0分

日本農業新聞

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