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被爆者なき被爆者団体へ 悲劇を語り継ぐため、バトンを受け取ったのは2世だった

BuzzFeed Japan 8/9(火) 5:00配信

80.86歳。これは、全国にいる被爆者174,080人の平均年齢だ。
【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

被爆から71年。高齢化は年々進む。全国各地で体験を語り継いできた被爆者団体も、その存続が危ぶまれている。

すでに、被爆者以外が運営を担っている団体も多い。どうやって核兵器の悲惨さを伝えていくのか。そして、誰が伝えていくのか。乗り越えるべき壁は高い。

日本原水爆被害者団体協議会(被団協)によると、奈良や滋賀では2006年と08年に、会長の死去に伴い、団体が解散。和歌山もその後を追う状態だという。

朝日新聞の実施したアンケートによると、全国に44ある被爆者団体のうち、91%が「活動の存続に危機を感じる」と答えている。その一方で、95%が「今後も世代を超えて続けていくべきだ」とも。

被爆2世や支援者へ引き継ごうとする県も多い。約3割の団体で被爆者以外が運営に携わっているという。

その中でも、山梨では全国唯一、当事者ではなく2世が会長を務める。

「核廃絶が達成されるまで、会は活動を続けないといけない。そのための方法は、これしかなかった」

山梨県原水爆被爆者の会(甲友会)事務局長で被爆者の中島辰和さん(81)は、BuzzFeed Newsの取材にそう答える。

「この5~6年ですね。次から次へと人が減っていく。去年だけでも5人ですよ」

半世紀前に設立した甲友会は、これまで、体験講話や被爆者のさまざまな相談受付を続けてきた。2007年ごろには、120人の被爆者が加入していたが、その後少しづつ減り、いまでは34人だけになった。

「我々は何ができるのか。地道にコツコツと自分たちの体験を語り続けて、世論を変えていくしかない。しかし何年間それをやれば核廃絶が果たせるのかは、わからない。私の寿命のうちは、難しいでしょうね」

「それでも、やっていかなきゃいかん。絶え間なく伝承していかなきゃいかん。山梨という小さな県でも、そういう世論が消えないようにしないといけない」

そのためには、会の存続が絶対に必要だと中島さんは考えていた。被爆者がいなくなったら、それで終わってしまうのではいけない、と。

「バトンを誰に渡すのか。一番私たちの話を理解し伝えてくれるのは、2世や3世だと、昔から思っていたんですよ。だって生活をともにして、その考えや体験を体で覚えているからね」

中島さんたちの思いを受け、2年前から会長を務めるのが焼広和欣さん(55)。広島生まれの被爆2世だ。

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最終更新:8/9(火) 10:21

BuzzFeed Japan

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