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【千葉魂】 スタンリッジ一家の絆 まもなく特別な一日「8・12」

千葉日報オンライン 8月9日(火)11時46分配信

 スタンリッジ家にとって、特別な日が近づいている。8月12日。それは次女のハーロウちゃんの誕生日であると同時に日本で長女のケインちゃんを養子に迎え、一緒に暮らし始めた日。敬愛なクリスチャンとして知られるスタンリッジは、まもなく訪れる神様が用意してくれた特別な一日に思いを巡らせている。

 「ボクにとって、とてもスペシャルな日だよ。2013年にケインが我が家に初めて訪れた日。そして去年はこの日にハーロウが生まれた。2人の子供と巡り合った日が、同じ日なんて奇跡のように感じた。家族の一員となった運命の日。神がボクたち家族を引き合わせてくれたのだと思う」

 タイガース時代の12年に神戸市内の養護施設を自ら訪れ、関係者に養子を受け入れる気持ちがあることを強い熱意で伝えた。すでに当時3歳の長男のキャッシュくんがいたが、「もともと、養子を迎え入れたいという気持ちがあった。妻とは結婚をする前からそういう話をしていた」と夫婦は自分たちの心から湧き上がる思いに対して素直に行動し、神様が背中を押してくれているという強い信念から積極的に活動を続けた。簡単な活動ではない。国籍という大きな違いがある中で自分たちの手で養子受け入れの書類手続きなどを行い、連絡を待った。結局、その年は話がまとまらず、連絡が来たのは翌年の7月。「2週間前に生まれたばかりの女の子がいます。昨年、養子を欲しいとおっしゃっていましたが今も気持ちは変わりませんか?」。待ちに待った連絡に「もちろんです!」と即答。7月30日に面会をする機会をもらい、8月12日から一緒に暮らすことができた。

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 「すべて神のおぼしめしだと思っている。人間という大きな家族があって、その次に今の家族がある。だから人種が違うとかそういうのはまったく関係ない。この子が大人になるのを手助けして、家族として愛して過ごすのは神様がボクたち夫婦に用意してくれたこと。そして日本に来て日本の子供を養子として迎え入れることができたのは神様が導いてくれたこと。自分にとってこの子を育てるのは、とても意味のあることだと思っているんだ」

 この頃、4歳になっていた長男のキャッシュくんにも父としてこの決断の意味をしっかりと説明した。するとワクワクしたような表情の笑顔を見せた。小さいながら理解をしてくれたことがうれしかった。

 「神様がみんなを愛しているように、私もみんなを愛している。人種が違うことで外見が違うとかそういうのは確かにあるけど、私から見たら3人の子供はみんな同じだ。息子も妹のことを聞かれると『日本人じゃないよ。アメリカ人だよ』とキッパリと言うはずだ」

 スタンリッジ家では、寝る前に家族で聖書を読んだり、聖書に書かれている言葉の意味について語り合ったりする時間を作っている。毎日の日常では色々な事が起こる。自分の思うように行かないこともある。そういう時に人として、どういう行動をとるべきかを語り合う。日常から話し合い、接する時間を大切にすることで人としての生きる道を伝え、愛をはぐくんでいる。

 「とにかく家族は愛することが大事だ。ただ、それはわざわざ口に出して言うことはないし、子供たちもボクに『パパ、愛している?』と質問はしない。なぜならば日々の生活の中で愛を伝えているし、愛して接している。だから、そういうのはない」

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 今、スタンリッジ夫妻と3人の子供は千葉で、幸せな生活を送っている。そして、いつか養子として迎え入れたケインちゃんがすくすくと育ち、いろいろなことが理解できる年齢になるのを心待ちにしている。その日が来るのが楽しみで仕方がないという。

 「家族の中で、なぜ自分だけ日本人の容姿をしているのかと疑問に思う日は必ず来る。でも自分はそれを説明するのが楽しみなんだ。『パパは日本に野球をしにいったんじゃない。君を迎えに日本に行ったのだよ』と説明をするのがね。神様がボクたち家族5人をこの素晴らしい国で出会わせてくれた。それを説明する特別な瞬間がいつか訪れる。その時は自分の気持ちをしっかりと伝えたいと思っているんだ。日本は異国ではない。ケインだけではなく、ぼくたち家族全員にとって、故郷だよ」

 まもなく8月12日を迎える。そして8月17日は長男の誕生日とメモリアルな日が続く。そんな記念日に子供たちをどのように楽しませてあげようかとスタンリッジは今からいろいろと企画している。愛する家族とファンのために投げ、神に感謝をする。背番号「55」はこれからもマウンドから愛の力を伝え続けていく。

 (千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

最終更新:8月9日(火)11時46分

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