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<天皇陛下お気持ち>県民の受け止め「時代変化」「意向は妥当」

埼玉新聞 8月9日(火)6時30分配信

 象徴としての務めが安定的に続くように―。天皇陛下は8日、約11分のビデオメッセージに「お気持ち」を託された。即位から28年。被災地訪問や慰霊の旅を重ね82歳になった陛下の言葉には、生前退位の意向が強くにじんだ。国民や埼玉県民の多くが好意的に受け止めたが、「今後に影響するかもしれない」との声も。宮内庁は年相応の公務の在り方について検討を続けてきた。

 天皇陛下がお気持ちのビデオメッセージを公表された8日、その判断や内容についての受け止めを埼玉県民に聞いた。

 「天皇が神様的な扱いを受けていた時代もあったが、現在の様子を見ると『天皇』という職業に近い状況がある」。鴻巣市の会社員福島大地さん(27)は印象を語り、「世の中に定年退職があるように生前退位の意向は妥当と思う」と賛意を示す。一方で「争いは起こさないでほしい」と注文した。

 さいたま市浦和区の自営業男性(70)も「もう80歳を過ぎているのだから、皇太子さまに代わっていいと思う」と生前退位に肯定的だ。「国民の象徴であり続けるというのは、きっと難しいことだと思う。神様じゃないのだから。食べたいものを食べて、やりたいことをやってもらったらいいのでは。自由にさせてあげてもいいと思う」と主張する。

 陛下よりも14歳年上の入間市の個人事業主西村芳明さん(96)は「年を重ねれば、誰でも体力が衰えたり、病気になったりする。仕事がつらくなるときもあるだろうし、自分でも衰えがよく分かる」という。仮に退位することになったとしても「やむを得ないのではないか」と理解を示した。

 「表明の内容が難しくて内容がよく分からなかった」と話すのは春日部市の主婦(65)。「今後はゆっくりしてほしい」と続ける。羽生市の会社員島野篤史さん(33)は「高齢で大変だったと思う。しきたりを破って決めたことを表明したことは良かった」。今後は影響があるかもしれない、とも加えた。

 「ご高齢にもかかわらず、公務で日本各地や海外を回られる活動を素晴らしく思っている」。さいたま市桜区の大学1年佐藤彩さん(18)は福島県の出身だ。「東日本大震災の時に被災地に訪れていただき、不安な時だからこそ、とても勇気づけられたのではないか」と顧みる。「時代は変わっている。生前退位はいいのではないかと思う。お体に気を付け、日本の象徴としてぜひ長生きしていただきたい」と望んだ。

最終更新:8月9日(火)6時30分

埼玉新聞