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国内最大級テクノロジー系ものづくりの祭典「Maker Faire Tokyo 2016」レポート

SENSORS 8/9(火) 11:27配信

デジタル技術の進歩によって個人でのものづくりが加速したことに、「メイカームーブメント」と名が付いて数年が経過。そのムーブメントに寄り添うように盛り上がり続ける「Maker Faire Tokyo」は、ものづくりに携わる制作者が多数出展する日本最大級のイベント。今年は8月6日(土)、7日(日)の2日間にかけて東京ビッグサイトで大規模に開催。

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2008年から開催し、今年は約380組が出展

「Maker Faire Tokyo」は、アメリカのテクノロジー系DIY工作専門雑誌『Make』から派生した、大規模な展示発表会「Maker Faire」の日本版。現在世界150箇所で開催され、エレクトロニクス(電子工作)、ロボット、クラフト、ペーパークラフト、電子楽器、サイエンス工作、リサイクル/アップサイクルなど、あらゆるジャンルの自作のものが展示される。日本では毎年イベントの規模が拡大して、今年はなんと約380組が出展。盛況となった会場をぶらりと回って気になった一部を紹介したい。


■DIY精神あふれる展示作品の数々
まず会場に到着して目に入るのが、入口前にある木製のレースコース。ニューヨークから呼び寄せたミニチュアカーレース大会「Nerdy Derby(ナーディ・ダービィ)」。その場でワッシャーをタイヤにしたミニチュアカーを組み立てて、レースコースで走らせて競うもの。小学生を中心に、ものつくりに触れる/興味を持ってもらう機会を増やす、ある意味教育的な要素が強い体験企画。

会場内でもっとも広くスペースを取っていたのが、「FPV DRONE RACE」の網の掛けられたブース。素早くコース内を飛び回る小型マルチコプターのドローンには、LEDを搭載。写真の発光している箇所がドローンの飛んだ軌跡だ。LEDだけでなくカメラを搭載し、会場のモニターに飛行中のドローン目線の映像が投影される。話題性ともの珍しさもあって、ご覧のとおりの人集りができていた。

会場入ってすぐのブースで盛り上がっていたのは、技術力の低い人向けのロボットバトル「ヘボコン」。技術力よりもユーモアを重視したロボットバトルで、ヘボいロボットが押し相撲をする。試合が始まると人だかりができて白熱。勝敗が決まるというゲーム性がとっかかりやすく、実際に電子工作をする切っ掛けとして最適な体験企画となっていた。

ひときわ目を見張る展示が、O'Baka Projectによるバレットタイム撮影システムの体験展示。映画『マトリクス』で印象的な、本人の全周を回る動画のシーンが撮影できる。Raspberry Pi30個と、USBカメラ60個で制作したシステムで、自作感が。会場で体験撮影した動画は、持ち帰り可能というサービスも。

ハードウェアスタートアップのシェアスペース、DMM.make AKIBAのブースでは、堀江貴文氏を中心にクラウドファウンディングで開発資金を募集した、日本国産ロケット「モモ」のモックが置かれ、その大きさに思わず立ち止まる人が多数。

ガイガーカウンターのキットを提供して放射線を測定したデータをネットを介して収集するプロジェクト「SAFECAST」のブースもあった。現代ならではの手法で日本各地から情報が集まったプロジェクトで、メイカームーブメントなくては成功しなかったといえる、東関東大震災以降の環境問題を考えるプロジェクトだ。

座っている子供の真向かいにあるカメラで3Dスキャンした本人のデータをGifアニメ化できるというrinkakのブース。撮影して立体のデータを生成して、それを動かしてGifアニメのデータにするというもの。

無線電波の手づくり立体模型を制作して展示している方も。こういった場でしあ観ることのできない作品のひとつ。目で見ることのできない電波を種類によって、周波数スペクトラムの波形の違いを可視化させるという面白み。はらっぱ技術研究所によるもの。

キッズスペースでは、「スライムシンセサイザー」の体験展示が行われ、子供がひっきりなしに音を鳴らしていた。この作品は、ゲル状のスライムを触ることで通電されてスピーカーから音が流れるという、音をつかむような楽器体験ができるもの。こちらは昨年のメディア芸術祭で新人賞を受賞した、佐々木有美+ドリタによる作品。

お菓子で回路をつくるユニット「Bread Board Baking」によるブース。叩くと通電して音が鳴るカップケーキや、クッキーにシンセサイザーのオシレーターを配線したものなど、クッキングと楽器の要素を絡めた作品が並ぶ。配線されているため、食べられないのが残念!

必要な音を得るために電子回路からつくるDIYバンド、The Breadboard Bandの制作した基盤「mobileBB shield for Mozzi」。ボタンを押すことで音がなり、つまみをいじると音が変化する。音の設定をユーザー自身がプログラミングで決めることができるのが特徴。インプット/アウトプットの端子もあり、エフェクターとしても使える自作楽器。

モリロボによる、自動クレープ焼きロボット“クレプ“。加熱した鉄板に生地となる液体を垂らして引き伸ばして焼きあがると鉄板から剥がすという、一連の動作を最新テクノロジーで自動化。個人で制作したもので、薄い生地を焼くには熟練の技が必要だそうです。SensorsのライターがDJで参加して場を盛り上げていた。

個人的に気に入った作品は、お札が羽ばたくだけの作品。誰しも機械に対して実用性を求めがちだが、こういった詩的な表現を行っていることに思わずぐっと来てしまった......!

こぼれ話としては、「Maker Faire Tokyo 2016」の出展の選考から落ちてしまった人たちが集って、国際展示場内の会議室を借りて自主的に展示イベント「裏メイカー祭」が行われていたこと。本祭に関心の高い人が集まるので自分の作品を見てもらう希少なタイミングを逃したくないという思いを感じる。そういった熱気のある場なのだ。

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最終更新:8/9(火) 11:44

SENSORS