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病原菌の広がりを知る鍵となるのは…ご先祖さまの「うんち」

ギズモード・ジャパン 8月9日(火)21時10分配信

「うんち」と「うんこ」ってイメージ違いますよね。

「便を見て己の健康を知る」なんて言いますが、わかるのは健康だけじゃないのです。ヨーロッパ大陸から、アメリカ大陸に初めて人がやってきたとき、人について一緒に病原菌もやってきました。腺ペスト然り、水ぼうそう然り、天然痘然り、結核然り…。これと同じく、中国とヨーロッパの商業を結んだシルクロードも、病原菌の広まる道となっていたのです。

ネタ元のMotherboardは、Journal of Archaeological Scienceにて発表された論文を紹介しています。ケンブリッジ大学の人類学者グループは、中国北西のシルクロード(のトイレと思われる場所)から見つかった2,000年前のトイレの道具(お尻を拭くために布をまきつけた棒)を調査したそうで、そのおしり棒からは、サナダムシや中国肝吸虫など、複数の寄生虫の卵が見つかりました。

たとえば、下痢や肝臓がんを引き起こす中国肝吸虫は、実は、おしり棒が見つかったエリアの風土病ではないといいます。ケンブリッジ大学のレポートによれば、肝吸虫はジメジメした湿ったエリアを好んで生息します。

しかし、おしり棒のあったトイレはタクラマカン砂漠の近くで、肝吸虫が生活できる環境ではないのです。ということは、外から肝吸虫がやってきたとして、生息できるだろうエリアは1,500kmほど離れたところ。これは、シルクロードによって病原菌が広がったとする証拠のほんのひとつ。その他、レポートでは病原菌の広がりをタイムライン化するなどし、詳細までふれています。

論文著者のひとり、Hui-Yuan Yeh氏は、「顕微鏡で最初に中国肝吸虫の卵を見つけたとき、非常に重大な発見だと思いました。(中略)我々がやっているのは、シルクロードにおける人の移動と病気の広がりを示すのに、初めて考古学的証拠を用いた研究です」と、発見の大きさと新しいアプローチの成功を語りました。

うんち、そこには人類の歴史すべてがあるのです。

image by The Journal of Archaeological Science

source: Motherboard via University of Cambridge

Carli Velocci - Gizmodo US[原文]

(そうこ)

最終更新:8月9日(火)21時10分

ギズモード・ジャパン