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【FRBウオッチ】素顔の雇用は103万人減、失業率は景気の山を示唆

Bloomberg 8月9日(火)5時11分配信

米労働省が発表した7月の非農業部門雇用者数は季節調整済みで前月比25万5000人増加ー。6月の29万2000人増に続いて、2カ月連続で堅調な伸びを続けた。米政策当局が「利上げはデータ次第」と唱えていることから、市場での利上げ織り込みが再び活発になってきた。

しかし、この数値は幻想にすぎないかもしれない。季節調整を加える前の原数値は7月に103万人も減少している。政府部門の雇用者原数値が夏休みの影響で111万5000人減少していることが主因だが、同項目は例年の季節調整と大差がない。問題は民間部門が季節調整で例年になく大幅にかさ上げされていることだ。

7月の民間部門の原数値は8万5000人のプラスだが、季節調整により2.55倍の21万7000人増に膨れ上がっている。三菱UFJ セキュリティーズのストラテジスト、ジョン・ハーマン氏はリポートで、「緩やかな民間部門の雇用増は、優しい季節調整により力強い伸びに変わった」と指摘した。

2015年7月と比べてみると、異常な季節調整が浮かび上がってくる。昨年7月の民間雇用者数の原数値は22万8000人増で、季節調整により24万5000人増と、1.07倍になった。昨年の季節調整を今年の原数値に適用すると、調整後の雇用の伸びは9万1000人となる。

この数値に季節調整後の政府雇用者数(3万8000人増)を加えた修正季節調整値は12万9000人増。労働省はこうした毎月の季節調整のばらつきを年間調整でならしているが、毎月のヘッドラインではしばしば歪みが生じ、幻想の世界を生み出していくことになる。

毎年7月が原数値で100万人以上のマイナスを記録するのは夏休みの影響で、地方政府の教職関連の一時解雇が増えることが影響している。今年7月は地方政府の解雇が前の年よりも少なかったことなどから、季節調整後の全政府の雇用は3万8000人増となり、前年同月の3万2000人増を小幅ながら上回った。

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最終更新:8月9日(火)5時11分

Bloomberg