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無血の領土争奪戦、海底資源巡る争い-日本が未踏領域で鉱石回収挑む

Bloomberg 8月9日(火)8時31分配信

世界ではいま、血を流さない領土の取り合いが起きている。狙いは海底に眠る石油や金などの資源。その開発権を獲得するため、現在81件の大陸棚延伸申請が提出されている。

分厚い氷河に覆われた北極点。ロシアは2007年、原子力潜水艦を投じて約2カ月間調査を行った。チタン製のロシア国旗を海底の北極点部分に突き刺し、カナダ側に踏み込んだ海域までを自国の大陸棚にあたると主張。国際機関に大陸棚の延伸を求めた。こうした動きはロシア以外にも広がっている。

国連海洋法条約では沿岸から200カイリ(370キロメートル)の排他的経済水域(EEZ)を超える部分については海底の地形や地質が領土と続いていれば、国連の大陸棚限界委員会の審査により大陸棚として延長することが可能。自国の大陸棚では海底資源の開発権が認められている。

「大陸棚をなるべく多く取り、資源確保につなげようと各国が命を懸け始めている」。各国からの申請を判断する国連の大陸棚限界委員会。21人の委員のうちの1人、浦辺徹郎・東京大学名誉教授はそう感じている。申請を却下されたとしても国益に関わるため各国とも簡単には引き下がらない。「判断は非常に難しい」といい、積み上がった申請を処理するため1年のうち約150日を国連のあるニューヨークで過ごす日々を強いられている。

世界が関心を寄せる海底資源。その開発で世界の先頭を走ろうとしているのが資源小国の日本。独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が中心となり、民間企業とともに海底から鉱物資源を回収する世界初の実証試験を17年度に始める計画だ。

東シナ海で試験

JOGEMC金属資源技術部の広川満哉・担当審議役は「量は多くなくとも、きちんと鉱石を引き揚げることが確証でき、商業生産に向けて技術の問題などを洗い出していく」と説明する。沖縄本島北西の東シナ海で調査船「白嶺」を用いた2-4週間の試験を予定。最大深度1600メートルの海底からポンプやパイプを用いて鉱石を1日当たり換算で100トン程度吸い上げる計画。商業生産に向けては日量5000トン程度を取り出す必要があるという。

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最終更新:8月9日(火)8時31分

Bloomberg

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