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米LPLファイナンシャルがブラックロックと提携、ロボアドのテスト運転

ZUU online 8/10(水) 6:40配信

米独立系ファイナンシャル・アドバイザー組織LPLファイナンシャルが、投資会社ブラックロックとの提携により新たなロボットアドバイザーをテスト運転中だ。

顧客の所有する運用口座の最低残高額を5000ドル(約50万9000円)に設定し、小口投資の限界に挑戦しているが、Wealthfrontを含むロボアド会社の間でも顧客獲得戦略の一環として、こうした「低残高投資」に切りかえる動きが多数見られており、「将来的にはゼロ残高投資が主流になる」との見方もでてきている。

■立ちはだかる壁 ゼロ残高の大手Betterment

1989年の設立以来、加盟独立系アドバイザー数1万4000人、銀行数700社を超える、米国最大のファイナンシャル・アドバイザー・ブローカーに成長したLPL。仲介業務による運用資産総額は4880億ドル(約49兆6784億円)に達している。

昨年4月にブラックロックのロボアド・システム「フューチャー・アドバイザー(FutureAdvisor)」を採用し、独自のデジタル・プラットフォームの開発に着手。現在、最低運用額を5000ドルでテスト運転を実施中だ。

LPLのダン・アーノルド社長は昨年6月にロボアドの開発を公にした際、「ロボアドが人間のアドバイザーの職を乗っとるとは考えられないが、需要があることは確かだ」と、幅広い顧客層からの需要に柔軟な姿勢を示した。

5000ドルという相場より低めの最低残高額で、新たな顧客の獲得も視野にいれているが、市場では最低残高をウリにするだけでは苦戦しそうな気配が濃くなりつつある。

例えばすでにゼロ残高システムを採用しており、顧客からの信用も確立しているBettermentなどに太刀打ちするには、これらの層を惹きつける「特別な何か」が不可欠になってくるだろう。

ロボアド市場は最早価格競争だけでは勝ち抜けないほど、激化しているようだ。

■一部の企業は「低額投資は顧客層の質をさげる」と懸念

ロボアドによる顧客争奪戦が繰り広げられている中、昨年には4月にはVanguardが、最低残高を10万ドルから5万ドル(約1018万ドルから509万ドル)にいち早く引き下げている。

次いでWealthfrontも7月に5000ドルを500ドル(約50万9000円から5万9000円))に、1月にはPersonal Capitalも10万ドルを2万5000ドル(約1018万ドルから254万5000円)に見直した。

Wealthfrontのアダム・ナッシュCEOは、「少額投資者も多額投資者も平等に扱う」という自社の経営方針をスローガンに、誰でも気軽に投資を楽しめる環境の提供に力をいれているとアピール。

これに対してBettermentのジェネラル・マネージャー、トム・キンバリー氏は、ゼロ残高システムは「投資を楽しみたい顧客に間口を広げる」とコメントしている。

一部の専門家はこうした市場の流れが、やがてゼロ残高を主流に押しあげると見ているが、「低残高によって、遊び半分に投資に手をだす顧客を増やすきっかけになりかねない」との意見もある。

懸念されているような顧客が増えれば、当然ながら、企業側は時間と労力を浪費することになる。

Commonwealth Financial Networkなど、低残高に異論を唱えている企業は「小遣い程度の投資しかする気がないのであれば、それは投資とはいわない」と、低残高傾向に絶対的な拒絶反応を示している。

真っ向から対立する風潮は、今後ロボアド市場にどのような変化をもたらすのだろう。(FinTech online編集部)

最終更新:8/10(水) 6:40

ZUU online