ここから本文です

旅客機「ボーイング747」生産中止検討の背景、果たした役割とその皮肉とは

THE PAGE 8/11(木) 12:00配信

 米ボーイング社が「ジャンボ」の愛称で知られる大型旅客機「ボーイング747」の生産中止を検討しています。半世紀近くにわたって世界の空を飛び続けてきた名機ですが、いよいよ引退の時が近づいているようです。

ボーイング747型機が全機退役 ── どんな航空機だった?

どんな飛行機だった?

 報道によると、現在ボーイング社はジャンボを月産1機のペースで生産していますが、9月以降についてはこれを半減する見通しです。今後、受注がさらに減少する場合には生産を中止する可能性も示唆しています。すでに大型旅客機は後継機種であるボーイング777へのシフトが進んでいますから、生産中止になるのは時間の問題でしょう。

 ジャンボは1969年に初飛行し、現在までに1500機以上が生産されました。ジャンボの特徴は何といってもその機体の大きさでしょう。エコノミー席で横10列(間に通路が2本)という配置ができる機体(ワイドボディ機)は当時存在しておらず、最大で500人以上の乗客を運べるという圧倒的な輸送能力によって大量航空輸送時代を切り拓きました。安価に海外旅行が実現できるようになったのも、1人あたりのコストが安いジャンボのような機体が登場したおかげです。

 また機内が広く、圧倒的な快適性があることもジャンボの人気が高まった理由の一つです。飛行機は機体が大きければ大きいほど、機内の騒音も少なくなりますし、閉塞感や圧迫感も減少します。乗客にとっては大型機に乗るメリットが大きかったわけです。

航空需要を拡大させたジャンボ

 ジャンボは世界の航空需要を拡大させる役割を果たしましたが、皮肉にもこれがジャンボにとって逆風となります。途上国も含めて、飛行機に乗ることが当たり前の社会となり、世界各地にLCC(格安航空会社)が普及し始めたのです。ここまで航空輸送需要が拡大すると、大型機を用いなくても採算が取れるようになります。

 路線が限定される大型機よりも、小回りが利き、途上国も含めどのような路線にも転用できる中型機への需要が拡大していきました。ボーイングやエアバスといった航空機メーカーは、こうした中型機へのシフトを進めるようになり、大型機は相対的に不利な状況です。ボーイングのライバル社であるエアバスは、ジャンボを上回る総2階建ての超大型機A380を2005年に投入しましたが、販売不振に苦しんでおり、同社は生産量の大幅削減を決定しました。

 ちなみにジャンボは米国の大統領専用機エアフォースワンや日本の政府専用機などにも使われています。米国はエアフォースワンの後継機として引き続きジャンボを指定しましたので、この分の生産は行われることになります。日本の政府専用機については、後継機としてボーイング777の採用が決まっています。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:8/11(木) 12:00

THE PAGE