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相模原事件受け日本障害者協議会の藤井代表が会見(全文1)事件の概要と見解

THE PAGE 8月10日(水)21時37分配信

 日本障害者協議会の藤井克徳代表が10日午後1時半から、東京の外国特派員協会で記者会見を行った。

【中継録画】日本障害者協議会の藤井克徳代表が会見 相模原事件を受け

 藤井氏は日本の障害者運動をリードしてきた存在で視覚障害がある。7月26日未明に起きた相模原殺傷事件では、知的障害者ら19人が犠牲になった。この事件の容疑者は「障害者を抹殺したい」と語ったと報じられるが、会見で藤井氏は「この事件はけっして特別なケースではない」と警告する模様だ。

事件の概要について

藤井:Thank you very much. My name is Katsunori Fujii. I cannot speak English. それじゃ、通訳の方、よろしくお願いします。今日のテーマは、相模原市で起こった障害者施設の殺傷事件に思う。そして、副題は私たち、ナイフの刃先は私たちにも。そして、日本社会が放つ警鐘、で話をさせていただきます。

 私は今、説明ありましたようにまったく全盲状態でありますんで、お手元に配った講演用、講演の原稿ですね。これと全部が一致でないことをあらかじめお断りしておきます。それではお話に入ります。日本に在住する誰もがあの日の朝のニュースに自分の耳と目を疑ったと思います。私たちはあらためて、19人の同胞の死を悼み、そして27人の死傷者の1日も早い回復を祈っています。心の傷はやまゆり園の関係者はもちろんですけども、知的障害者や精神障害者を中心に、日本中の全ての障害者に及んでいると思います。

 事件から2週間余がたちました。私の手元にはたくさんの意見や感想が寄せられています。障害当事者の声をまとめますと次の3つの衝撃に集約できます。第1はたくさんの死亡者を伴う、現地からの生々しい報道への衝撃です。元職員とはいえ、自分たちを守ってくれるはずの職員が容疑者であったことが衝撃を増幅させています。

 第2の衝撃は、容疑者が衆議院の議長宛に出した手紙に、障害者は生きてても仕方がない。安楽死をさせたほうがいい。これへの衝撃です。まるでナイフの刃先が自分たちにも向けられてるように感じ、自分らしいという人間の価値そのものにナイフが突き刺さった。そんなことを感じてる人が少なくありませんでした。

 第3の衝撃は、これは精神障害者に走っている衝撃です。容疑者は精神科病院の入院歴があると報じられ、精神障害者の多くが、また精神障害者への偏見や差別が増してくんじゃないかという怖さを持っています。また、措置入院制度の見直しが取り沙汰されていますけども、これもまた、隔離政策がいっそう進んでくんではないか、こういう不安が広がっています。

 まだ事件の全容が分かってはいませんけども、これまでの報道を基にして、現段階での私のこの事件への見解を述べたいと思います。見解に先立って強調しておきたいのは、この事件があまりに残忍で卑劣であるということです。防衛することができない多数の重度障害者を標的とし、そして防備体制の薄い、支援体制の薄い深夜に襲いかかりました。私たちは容疑者の行為を絶対に許すことはできません。

 このことを踏まえて、以下3つの観点から見解を述べます。見解の第1は、これが最も大事なことなんですけども、容疑者の言動から今回の事件は優生学思想と関係しているのではないかということです。優生学思想そのものは19世紀半ば以降、欧米の学者によって提唱されましたけども、私は今回の事件でまず連想したのは、ナチス・ドイツ時代に展開されたT4作戦でした。

通訳:19世紀って(※判別できず)。

藤井:19世紀ね。1800年代半ば以降。

通訳:はい。

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最終更新:8月24日(水)19時54分

THE PAGE