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GDP、政策対応の分だけプラス成長になったイメージ

ZUU online 8月10日(水)11時50分配信

2016年4-6月期の実質GDPは前期比+0.3%(年率+1.1%)を予想する。2四半期連続のプラスになったと考える。

1-3月期はうるう年の効果(年率+1.2ppt程度)などで前期比+0.5%(年率+1.9%)となり、4-6月期にはその反動が懸念されたがプラス成長を維持し、トレンドとしての持ち直しが確認されるだろう。ただ、うるう年の反動、そして曜日並びのよかったゴールデンウィークなど、季節性が通常より大きく、季節調整の影響などで、結果が上下に大きく振れるリスクがあることに注意が必要だ。

■プラスになったのは政策対応の効果

年初からグローバルに景気・マーケット動向が不安定化し、6月には英国のEU離脱問題もあり、企業心理と活動が下押された。実質設備投資は前期比-0.5%と2四半期連続のマイナスとなり、在庫増加に対する懸念から民間在庫投資の実質GDP寄与度も-0.2%と4四半期連続のマイナスになったと予想する。生産活動向けの原材料の輸入も低調で、実質輸入は前期比-0.5%と3四半期連続でマイナスになったとみられる。グローバルに貿易活動は停滞しており、実質輸出は横ばいとみる。

一方、家計の活動には持ち直しの動きがみられた。雇用環境は極めてよく、賃金上昇も始まっているため、株価低迷などの下押しを乗り越えて、実質消費は前期比+0.4%と2四半期連続でプラスになったとみられる。堅調な企業収益を背景とした夏のボーナスの増加も貢献したとみる。日銀のマイナス金利政策による住宅ローン金利の低下の影響もあり、実質住宅投資が前期比+2.5%と好調で、3四半期ぶりのブラスになったとみる。

企業活動の弱さを家計活動の持ち直しでオフセットした形である上に、政府の政策対応の効果の分だけプラス成長になったイメージである。

■財政政策の重要性を再確認

2016年度の本予算の公共投資が前倒しされたこと、1月の2015年度第一次補正予算の3.3兆円程度、そして4月の熊本地震の復旧・復興予算の1兆円程度が執行され、成長を押し上げたようだ。実質公共投資は前期比+2.5%と4四半期ぶりに増加し、実質政府消費も前期比+0.4%と8四半期連続で増加したとみられる。

成長を押し上げるための財政政策の重要な役割が再確認されるだろう。

年初までの原油価格の急落による交易条件の改善によりGDPデフレーターは前期比+0.2%上昇したとみる。2014年の消費税率引き上げ後の消費低迷による物価下押し圧力、そして円高の影響を上回ったとみる。結果として、名目GDPは前期比+0.4%としっかり拡大したと予想する。

■2017年のGDPでアベノミクス再稼働を実感か

名目GDPを縮小から拡大に転換させたのがアベノミクスの最大の成果であるが、その動きに変調はないだろう。2015年度は8年ぶりに、実質GDP成長率(+0.8%)、名目GDP成長率(+2.2%)、そしてGDPデフレーター上昇率(+1.4%)がすべてプラスになった。

グローバルな景気・マーケット動向がまだ不安定な7-9月期の実質GDPは若干のプラス成長にとどまるが、グローバルな安定と事業規模28兆円程度の財政拡大の効果(2017年度末までに実質GDPを1%程度押し上げると予想)が出始める10-12月期から年率+1%超へ加速していくと考える。

2016年の実質GDP成長率は+0.5%程度と潜在成長率なみであるが、2017年には+1.3%程度と大きく上回り、アベノミクスによるデフレ完全脱却の動きの再開が感じられるようになるだろう。

会田卓司(あいだ・たくじ)
ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 調査部 チーフエコノミスト

最終更新:8月10日(水)11時50分

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