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【英国】競争当局、リテール市場の改革提案:手数料比較アプリなど導入へ

NNA 8月10日(水)9時0分配信

 英競争・市場局(CMA)は9日、銀行のリテール(小口金融)サービス市場の改革案を発表した。数年にわたる調査の最終報告で、アプリを通じて各行の手数料などを比較できる「オープン・バンキング」プログラムを導入する方針などを明らかにした。これにより、顧客はより手数料の安い銀行口座に切り替えられると強調するが、一部の消費者団体などからは手ぬるいとの批判も寄せられている。
 「オープン・バンキング」は、2018年初めまでに導入を義務付ける予定。
 CMAはまた、事前に認められていない当座貸越に課す手数料について、顧客への事前通知や手数料の上限設定を義務付ける。こうした当座貸越では、手数料に加えて貸越分に対し日割りで利息が課せられ、これにより国内銀行が得た収入は2014年に合わせて12億ポンドに上ったという。
 英国のリテール市場は、ロイズ・バンキング・グループ、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)、バークレイズ、HSBCホールディングスの寡占状態にあり、これら大手4行は、4分の3以上の当座預金口座と約9割の法人向け融資を提供している。一方、他行の口座に切り替えるケースは、個人顧客では1年当たりわずか3%、法人では4%にとどまる。こうした状況から、大手銀行は十分な競争にさらされることがなく、小規模あるいは新興金融機関が発展しにくい土壌が生まれていると指摘。口座の切り替えにより、個人顧客は92ポンド、小規模企業は80ポンドを節約できるはずだが、こうした恩恵を得られずにいるとしている。
 CMAはさらに、改革案はフィンテック(金融技術)の発展につながると強調。アダム・ランド上級ディレクターは、フィンテック企業が積極的に参画するのは間違いないとした上で、「英国にとっては指導的地位を確保するためのまたとない機会だ」と述べた。英政府もこの分野を強化したい考えだが、ドイツなどは英国の欧州連合(EU)離脱決定を受け、関連企業を自国に引き込むことに意欲を示しているとされる。

最終更新:8月10日(水)9時0分

NNA