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ユーザーの声に応えて進化――京セラ「かんたんケータイ」の11年の歩み

ITmedia Mobile 8月10日(水)18時42分配信

 KDDIと沖縄セルラー電話は7月30日、京セラ製フィーチャーフォン「かんたんケータイ KYF32」(以下「KYF32」)を発売した。京セラが手がけるシニア(高齢層)向けフィーチャーフォンは約4年ぶりで、シリーズ初のVoLTE対応を果たした。

【初代の「簡単ケータイ」はこんなだった】

 KYF32には、11年間に渡ってかんたんケータイを作り続けてきた京セラの「工夫」が多く詰め込まれている。

●売れ行き:最近では機種変更が中心に

 京セラのかんたんケータイの初号機は、2005年6月に発売した「簡単ケータイ W32K」だ。W32Kは高齢者をコアターゲットに据え、折りたたみ式ボディーの画面側に3つのワンタッチキーを搭載して電話の発着信をしやすくした。このキーはかんたんケータイの「代名詞」となり、最新のKYF32まで継続して搭載されている。

 その後、完全に通話に特化した「簡単ケータイS A101K」を含めた9機種を2012年までに投入してきた。

 高齢者を中心に普及してきたかんたんケータイだが、昨今では売れ行きの傾向が変わってきているという。京セラが行ったユーザー調査によると、2007年8月発売の「簡単ケータイ A5528K」では新規契約と機種変更の比率がおおむね五分五分だったものが、2012年5月発売の「簡単ケータイ K012」では機種変更の比率が94%となり、かんたんケータイの“主戦場”は完全に機種変更となった。機種変更ユーザーに絞ってさらに調査したところ、かんたんケータイからの機種変更に加え、「加齢による視力や聴力の衰え」(京セラの大西克明氏)を理由としてその他のフィーチャフォン(ケータイ)やスマートフォンから機種変更した人も少なからずいたという。

●商品企画:ユーザーの声を直接聞いて製品に反映

 今後人口に占める高齢者の割合はますます増加が見込まれる。そこで京セラが大切にしているのが「高齢者、あるいはかんたんケータイを実際に使っている人のリアルな声を製品に反映する」(大西氏)ことだ。例えば、高齢者・ユーザーを招いてグループインタビューを実施したり、高齢者が多く訪れる場所で街頭インタビューを行ったりして、出てきた意見を踏まえて製品に生かしている。

 寄せられる主な意見を大まかに分けると「聞きやすさ」「押しやすさ」「見やすさ」「あんしん」の4つに分類されるという。

 「聞きやすさ」は、音の大小に関する意見だけではなく、通話途中で受話部が耳からずれて声が聞き取りづらくなるという意見も多く寄せられたという。そこで、ユーザーの年齢に合わせて音声をチューニングする機能を搭載したほか、受話部に京セラの独自技術である「スマートソニックレシーバー」を採用してディスプレイ面のどこに耳を当てても声が聞こえるように工夫した。

 「押しやすさ」は、キーの大きさだけではなく、印字の視認性や押した時の感覚も大切にしているという。また、通常のケータイでは1つのキーに短押し・長押しで複数の機能を使い分けているが、かんたんケータイでは1つのキーには極力1つだけ機能を割り当てるようにしている。電源キーが「電源スイッチ」として独立しているのは、そのためだ。最新のKYF32では、キー機能のさらなる見直しを行い、発話・終話キーがさらに大型化し、数少ない複数機能キーだった「ブザー」キーを側面に独立キーとして配置している。

 「見やすさ」の面では、スクリーンフォント(文字)の大きさや形状にこだわっているほか、サブディスプレイの常時表示に対応している。サブディスプレイの常時表示はバッテリー持ちの面で一見すると不利だが、キー操作なしで時計や着信の有無を確認できる利便性を優先している。

 「あんしん」の面では、「画面に出ているキー表示に対してどこを押したら良いのか分からない」という声に応えて、KYF32に「光で操作ナビ」を搭載した。これは、キーがソフトキー表示の枠と同じ色で光るというものだ。

 スマホが全盛の中、あえて高齢者にターゲットを絞ったフィーチャーフォンは、高齢者だけではなく、スマホに抵抗を感じたり機械に不慣れなユーザーにとっても使いやすい工夫が凝らされている。

 もし、auショップなどで実機展示している所をみかけたら、ぜひ手に取って使ってみてほしい。

最終更新:8月10日(水)18時42分

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