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リオ五輪、開会式を振り返って

MEGABRASIL 8月10日(水)10時50分配信

映画監督フェルナンド・メイレリスが演出

日程の関係で、サッカーのグループリーグは既に始まっていたが、8月5日(金)(日本時間6日(土))に開会式がリオデジャネイロのマラカナンスタジアムで無事に行われた。まさに「無事に」という言葉がもっともふさわしいと思う。

このリオ五輪は、2009年に東京などのライバルに競り勝ち開催が決まったのだが、決定した日の夜、当時住んでいたブラジルのサルヴァドールの街なかで、人々がオリンピックの開催決定を喜んでいた姿がはっきりと思い出される。東京は選ばれなかったが、筆者も南米初の五輪開催の決定を心からおめでとう、と思った。

2009年当時、ブラジルはBRICsの筆頭として経済状態は上り調子で、前途洋々たる将来を国民の誰もが疑わなかったことだろう。しかし、そんな上り調子の経済状況は長くは続かなかった。あの頃の勢いが嘘のように、今のブラジルは停滞しきっている。

2014年のサッカーW杯のときもそうだったが、今回のリオ五輪は特に本当に開催できるのかと思わざるを得なかった。筆者は、今年3月にリオデジャネイロにあるメインスタジアムのマラカナンスタジアムの前にも行ったが、本当にここでオリンピックが行われるのか、と思ったものだ.

そんな中、開会式はブラジルで金曜の夜8時から、日本時間の土曜日午前8時から開始された。

演出は、映画「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレスが務めた。ブラジルの歴史から文化の紹介など、実に見ごたえのある開会式だった。

開会式の見所は、何といっても、どんな有名人が出演するかである。特に、誰が音楽を披露するのかも注目されるところだと思う。

ブラジルの人気歌手といえば、私がブラジル在住当時の2012年ぐらいまでは、何といっても私の住んでいた街サルヴァドールが誇るアシェの女王イヴェッチ・サンガーロだったが、2014年W杯には、同じくサルヴァドールの人気歌手クラウジア・レイチがジェニファー・ロペスとコラボレーションして主題歌を歌っていたことが思い出される。

いろいろな演出が成されたが、飛行機の父として有名なサントス・ドゥモンの紹介シーンで、飛行機が飛び回りながらリオデジャネイロの景色がCGで紹介された。本当にリオの街は美しいの一言だ。街自体が芸術作品といってもよいほど、ため息が出るほどに美しいと思う。

選手入場は、オリンピック発祥国ギリシャの先頭は毎度のことだが、それ以外はポルトガル語表記のアルファベット順に行われたので、通常の英語表記の順番とはだいぶ異なっていた。ドイツはGermanyではなくAlemanhaだし、アメリカもUnited StatesではなくEstados Unidosなので、これまでの他の大会より入場の順は早かった。日本はJapaoなので、英語表記であるJapanとほとんど変わらない。

柔道、水泳、サッカーなど主要の種目は、すぐに競技が始まるのでこれらの選手たちは開会式には出ていない。それでも卓球の福原愛、伊藤美誠は参加していた。

そして、最後にホスト国ブラジルが、「ブラジルの水彩画」の歌声にのせて入ってきた。さすが地元開催だけあってすごい人数の選手団だった。

しかし、ちょっと笑えたのは、ブラジル選手団が着用しているジャケットだ。「C&A」と書かれたロゴが胸に入っているのだ。「C&A」は、ブラジルでは誰もが知っている庶民的なアパレルチェーン店だ。日本でいえばユニクロに近いと思うが、おしゃれなイメージはまったくない。そのエンブレムを胸に付けているのだから、どうしたのかな、と思ってしまった。

注目の歌手だが、ボサノバの父アントニオ・カルロス・ジョビンの孫であるダニエウ・ジョビンによるボサノヴァの名曲「イパネマの娘」の弾き語り、サンバの大御所ゼッカ・パゴジーニョなどが先だって出ていたが、メインでは、バイーア出身の大御所ジウベルト・ジウ、カエタノ・ヴェローゾ、そして今ブラジル国内でセクシー歌姫として大人気のアニッタが歌ったのだ。

ブラジルにもいろいろな人気女性歌手がいるが、アニッタが選ばれた。これは、人気のバロメーターになるだろう。

そして、最終聖火ランナーが聖火を点灯し、クライマックスを迎えたのだった。

最終聖火ランナーは大方の予想のペレではなく、2004年アテネ五輪男子マラソンの銅メダリスト、バンデルレイ・デ・リマだった。コースに乱入した観客に妨害された選手だ。

リオデジャネイロ・オリンピック、すでに日本も10以上のメダルを手にしているがまだまだはじまったばかり。どんな大会になるか楽しみだ。

(文/コウトク)

最終更新:8月10日(水)10時50分

MEGABRASIL