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Visaが取り組むクレジットカード セキュリティ強化計画

THE ZERO/ONE 8/10(水) 14:58配信

国内のクレジットカード業界が、セキュリティ強化に向けた取り組みを強化している。2020年の東京五輪開催に向け、経済産業省も含め、世界でも立ち後れたセキュリティ強化を目指している。セキュリティ強化のためにカードブランドのビザ・ワールドワイド・ジャパンが7月27日に開催した記者会見を行い、同社がどのような取り組みを行っているか見てみよう。

米国はクレジットカード犯罪が活発

クレジットカードは欧米を中心に海外では決済で一般的に利用されているが、日本は現金主義が強く、クレジットカード利用は諸外国と比べても小さい。その結果、クレジットカード決済に対応していない店舗も多く、セキュリティへの対応も遅れている。しかし、訪日外国人需要の拡大が求められている昨今、日本でもクレジットカードへの対応が重要になる、というのがビザの見解だ。

例えば訪日外国人の79%は決済にクレジットカードを使用した、または使用しようとした、と回答しており、クレジットカードを使った人の方が平均30%も多く支払いをしていたという。しかし、日本は特に交通、食事以外の支払いでクレジットカードが使われていない傾向が出ており、外国人客が支払いにクレジットカードを使った割合は、先進7ヵ国の平均が59%だったのに対して38%にとどまっている。

こうした現状に対して、政府としても訪日外国人需要拡大に向けてクレジットカード利用の環境拡大は急務とみており、特に需要が増える東京五輪までに一定の成果を上げたい考えだ。

対応に遅れる米国

そこで問題となるのがセキュリティだ。クレジットカードのセキュリティリスクは、「情報漏えい」「クレジットカードの偽造」「不正使用」の3つに大別できる。クレジットカードの登場から約60年、技術の進化に伴ってクレジットカードにともなう不正は減少を続けてきた。

しかし、ここ5年間は微増傾向にあり、カード偽造、非対面(オンライン)取引での不正が伸びている。「この対策を考えなければならない」とビザ・ワールドワイド・ジャパンのリスクマネージメント チーフリスクオフィサーのジョン・クロスリー氏は強調する。

カード偽造による不正全体の61%が米国で発生している。ビザ全体で取引される決済額全体に占める米国の割合は39%程度だが、世界の偽造不正の6割が米国で発生していることになる。

これは、米国でICカード(EMV)化が遅れたことが原因だ。従来の磁気ストライプ方式のクレジットカードは簡単に偽造ができるのに対して、最新のICチップ搭載クレジットカードは偽造が「ほとんど不可能」(クロスリー氏)。店舗の決済端末も磁気ストライプ方式のクレジットカードしか受け付けない店舗が多く、偽造カードを米国に持っていけば簡単に使えてしまう。

しかも、世界のカード情報流出事件のうち、米国で発生した件数は73%を占め、米国人のクレジットカード情報が大量に漏えいし、それをもとに偽造カードが作られて不正な取引が行われる、という例が頻発している。

これに対して、欧州では今年3月の時点で99%の決済端末がICカードに対応するなど、対策が進展している。米国が22%だったのとは好対照の状況だ。ICカード化すれば偽造が減って不正利用が少なくなるのは分かっており、米国で対応が急務となっている。

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最終更新:8/10(水) 14:58

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