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神戸製鋼/研究開発費1割増へ/「マルチマテリアル化」強化/研究者数も1割増員

鉄鋼新聞 8/10(水) 6:00配信

神戸製鋼所は2020年度までに年間の研究開発費を現状比で1割増やす方針だ。研究者数も1割増員する。鉄鋼だけでなくアルミなど異種材料も併用する自動車の新しい軽量化手法「マルチマテリアル化技術」の研究開発などを強化する。足元で厳しい収益環境に直面するものの、将来の競争基盤強化へ研究開発の先行投資を継続する。
神鋼の現在の研究開発費は年298億円(15年度)。今年度から20年度まで5カ年の現行中期経営計画で、これを330億円程度に積み増す。直近の5年間は11年度(314億円)をピークに300億円前後で推移していた。
神鋼は現行中計で、自動車、航空機など輸送機の軽量化ニーズを取り込むことで素材事業の成長を目指す。輸送機の軽量化技術に経営資源を重点投入し、鉄鋼だけでなくアルミや溶接材料など多彩な材料を手掛ける強みを最大限に生かす戦略。
自動車向けとなるマルチマテリアル化技術の開発では、得意の超ハイテン(高張力鋼板)とアルミを組み合わせた複合構造部材の開発などを強化。鉄鋼材料のみの場合より軽量化効果に優れ、アルミのみの場合よりコスト優位な利点を追求する。すでに日系自動車メーカーに対し具体的な提案活動に入っており、早期の事業展開につなげたい考え。
車体のマルチマテリアル化のカギとなる鉄とアルミの溶接技術開発も重点テーマだ。鉄とアルミなど異種金属の溶接では、溶接部にもろい金属間化合物が生じるといった課題がある。こうした課題を克服し、ユーザーの利便性も考慮した効率的な溶接技術の確立を目指す。
一方、航空機向けではチタンの研究開発が重点分野の一つになる。神鋼は現行中計で、チタン事業でこれまでの上工程(溶解・鍛造)だけでなく下工程の機械加工事業にも参入する方針を打ち出した。下工程への参入に向け、実際の機械加工を通じた研究開発を18年度末まで行う計画で、このほど研究開発に利用する機械加工機の導入を決めた。
航空機エンジン向けではチタンアルミと呼ばれる合金開発も進める。エンジン材料で主流のニッケル合金より軽く耐熱性に優れる新材料で、航空機の燃費改善につながると期待される。
神鋼は電力供給事業も成長戦略の柱の一つに掲げている。発電設備を増強することに対応し、研究開発では発電設備のさらなる安定稼働に向けた高効率の設備保全技術の開発もテーマになる。

最終更新:8/10(水) 6:00

鉄鋼新聞

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