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昭和の夏の風物詩「蚊取り豚」は、なぜ「ブタ」なのか!?

TOKYO FM+ 8月10日(水)12時0分配信

毎日暑いですね。小さなお子さんをお持ちの方などは、夏は虫刺され対策も大変なのではないでしょうか。最近では縁側で「蚊取り線香」を焚く……なんて風景もあまり見なくなりましたが、昭和の夏には欠かせないものでした。今回は、蚊取り線香を入れる、あの陶器のお話です。

楽しい楽しい夏。
ですが、夏になると、やっかいなアイツとの戦いも始まります。
プ~ンとやってきてチクっと刺す……そう、「蚊」です。
人間は蚊を追い払うため、昔から苦労してきたようですが、やはり代表格は「蚊取り線香」。
そして蚊取り線香というと、セットで「豚」を思い出しませんか?

「蚊取り豚」と呼ばれるあの陶器。
なぜ「ブタ」なのか……? その由来にはいろいろな説があるようです。
たとえば、こんな説。

ある養豚業者が豚に止まる蚊に困り、最初は土管型の筒の中に蚊取り線香を入れて使っていました。
ですが、土管は口が広すぎると少しずつ口を縮めていくうち、なんとなく形が豚に似てしまいます。
そこで「せっかくだから!」とわざわざ豚の形にして、その土地のお土産物にした、という説。
なるほど信憑性があります。

ですが、この説をひっくり返す出来事が起こります。
東京新宿区内の武家屋敷跡から、なんと江戸時代末期の「蚊取り豚」が出土されたのです。
江戸時代から「蚊取り豚」があったとは驚き。
養豚場での云々の前に、すでに存在していたことになります。
蚊取り線香自体は明治に入ってからの発明なので、この頃は杉の葉などをいぶして入れていたよう。

江戸時代の蚊取り豚は、今よりすいぶんとおちょぼ口。
どうやら元々、徳利(とっくり)を横にして蚊取り瓶として使っていたようです。
でもちょっと待って、これ何かに似てない?となり、「せっかくだから!」とわざわざ豚の形にしたという説。

ふたつの説を紹介しましたが、つまりどちらにしろ「せっかくだから可愛いほうがいい!」ってことでしょうか。
根っからのキャラクター好き、なんだか日本人らしいですね。

(TOKYO FMの番組「シンクロのシティ」2016年8月9日放送より)

文/岡本清香

最終更新:8月10日(水)12時0分

TOKYO FM+