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ランド研究所、米中戦は西太平洋を戦域とする在来型戦争に

ハンギョレ新聞 8月10日(水)18時20分配信

米中戦争のシナリオ研究 中国に大きな被害与える、米国優位の戦争米国の決定的勝利は難しい 核攻撃と地上戦は不可能

 米国と中国の間で戦争が起きるとしたら、西太平洋を戦域とする在来型の地域戦になると予想された。中国の被害が大きく、米国が優位を占めることになるだろうが、米国が決定的勝利を収める可能性は低いと分析された。

 米国の国防分野のシンクタンクであるランド研究所は、今月5日に発表した米中戦争シナリオの研究報告書「中国との戦争」で、2015~25年の間に米中戦争が勃発すれば「中国が自国の沿岸地域に対する侵攻を阻止するための軍事能力の接近阻止・領域拒否(A2AD)戦略能力を向上させており、米国はもはや戦争を計画通りに進め、決定的勝利に導くこととは確信できない」との見通しを示した。同研究所は「両国によって事前に計画された戦争が勃発する可能性は極めて低いが、未熟な危機対応が敵対行為を触発する危険性は無視できない」と指摘した。http://www.rand.org/pubs/research_reports/RR1140.html

 米中戦争の戦闘は「東アジアで行われ、西太平洋が主な戦域になる」とされ、「主に戦艦と戦闘機、ミサイルを持って海の上と下で実行され、衛星やコンピューターシステムを攻撃するサイバー戦も行われるだろう」と予想された。核兵器が使用される可能性は低いと分析された。両国は「被害が大きい場合でも、先に核兵器を使用し、致命的な打撃となる核報復を受けることは避けようとするだろう」と予想された。さらに「大規模な地上戦が行われる可能性も低い」とされる。米国も中国本土に侵攻し、戦争を遂行する危険を冒すことはできないからだ。その代わりに中国はサイバー戦を通じて米国本土のコンピューターシステムを攻撃し、米国も同じ行動を取るものと見られている。

 同報告書では、戦争の期間にかかわらず、米国は中国本土まで含めた全戦域で中国の目標物を打撃できる能力を保有しているものと評価された。また、時間が経つほど、中国は潜水艦を含めた海上戦力の破壊に直面するだろうと予想された。

 しかし、現在の軍事技術の発展速度、特に中国の接近阻止・地域拒否およびサイバー戦力、両国の「サイバー及び衛星攻撃兵器」(ASAT)戦力の向上により、戦争が2015年に勃発した場合と2025年に勃発した場合とは、異なる展開を見せるものと分析された。2025年に戦争が起きれば、米国の被害は中国よりは少ないだろうが、2015年に比べて拡大する見込みだ。「双方は相手に深刻な打撃を与えるかもしれないが、どちらも敗北を認める可能性は低い」

 結局、戦争は経済力によって決定されるだろう。中国が被る経済的被害の方が致命的かつ永続的と分析される。1年間の激しい戦争は中国の国内総生産(GDP)を25~35%も減少させるのに比べ、米国の方は5~10%の減少にとどまるものと予想される。

 あまり激しくない短期戦の場合、双方は短くて深刻な経済混乱を経験するだろうが、中国側の被害の方が大きいとされる。激しい短期戦になれば、両国は共に大きな軍事的かつ経済的被害を被ることになるだろうが、この場合でも中国側の被害の方が大きい。しかし、その差は(2015年の場合に比べ)2025年に起きた戦争では縮まる見込みだ。

 あまり激しくない長期戦の場合、経済的被害は中国側にとってもっと致命的なものになるだろう。両国ともに国内での不満が高まるだろうが、国際的な反応は、米国側に有利である。激しい長期戦になると、両国とも大きな被害を被ることになり、軍事能力も減少する。中国はサイバー及び宇宙を含めた各分野でより大きな経済的コストを払わざるを得ない。中国の国内で不安が高まる一方、国際的な反応は依然として米国に有利であるだろう。特に、1年以上持続する激しい長期戦になれば、日本と東アジアにおける米国の同盟諸国が米国の支援に乗り出すものと予想される。

 同研究所は「両国間の戦争は破壊的な打撃から始まって数カ月間続き、勝者はなく、双方の軍事力に大きな被害を与えるだろう」としたうえで、「中国は非軍事的打撃を最も多く受けるだろうが、米国も経済や世界問題に対処する能力に致命的な打撃を受けることになる」との結論を下した。このような状況を回避するためには、米国が「文民統制(シビリアンコントロール)システムを強化し、平和や危機、戦争の際にも、中国とのコミュニケーションを拡大しなければならない」と、同報告書は勧告した。

チョン・ウィギル先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:8月10日(水)18時20分

ハンギョレ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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