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[ニュース分析]大統領イエスマンがセヌリ党代表に…深まる党と大統領府の垂直関係

ハンギョレ新聞 8月10日(水)11時38分配信

党大会後のセヌリ党はどこに

朴大統領「私たち自らが反目すべきではない」
全党大会の祝辞通じて忠誠要求
セヌリ党は大統領府の出張所に転落する可能性

 「党と大統領府の関係は一糸乱れることはないが、政権創出は難しくなった」

 9日、与党セヌリ党の党大会結果に対する首都圏多選議員の評価だ。親朴槿恵(パククネ)系議員公認問題が影響して4・13総選挙で惨敗したにもかかわらず、わずか4カ月で党員は結果的に「元の親朴党」を選択したためだ。

 李貞鉉(イジョンヒョン)代表は当選後、記者会見で「大統領府が世論から遠ざかることがあれば、大統領と大統領府に民心を迅速かつ的確に伝えられる」と豪語した。しかし、セヌリ党の大統領府の隷属は今よりはるかに深まるというのがセヌリ党の内外で一致する見通しだ。

 李貞鉉代表体制は、朴槿恵大統領と親朴勢力の圧倒的な支援で誕生した。非朴系候補の一本化で危機意識を抱いた親朴系勢力が、全党大会の終盤に李候補を選択して票を入れた。この過程で朴槿恵大統領が介入した痕跡が随所で確認される。

 大統領の報道官と秘書を務めた人物が、同じ大統領の任期中に政権与党の総裁や代表に選出された前例はない。セヌリ党が大統領府と対等な関係を結ぶのは、もはや構造的に難しい。

 李氏個人もそうだ。彼は朴大統領に対する忠誠心では誰にも負けない。朴大統領が2007年の大統領選候補の党内選挙で敗北した後、李氏は趙容弼(チョヨンピル)の「その冬の喫茶店」をよく歌った。「ああ笑っていても涙が出る」という歌詞が彼の心境をそのまま表現していた。今の李氏のすべての「政治の筋肉」を作ってあげたのが、他ならぬ朴大統領だ。

 李氏は今まで、儀礼的表現でさえ「大統領府に言うことは言う」といった対等な党と大統領府の関係を意味する発言をしたことがあまりない。全党大会スローガンを「仕えるリーダーシップ」「僕の代表」に設定して限りなく自らの価値を下げたにすぎない。最後の演説でも李氏は「働きたいです」という言葉を繰り返し叫んで注目を集めた。

 朴大統領は祝辞で「分裂と葛藤を引き起こす政治は終わらさなくてはならない。その政治の変化を成し遂げることこそセヌリ党に与えられた使命だと信じる」、「私たち自らがまとまらずに反目し合い、互いに批判して不信に陥れば、国民から授かった信頼は遠ざかることになるだろう」とした。セヌリ党に「無限忠誠」を要求したのだ。また、「労働改革と経済革新に向けた法案が国会に阻まれ、規制を撤廃して地域経済を発展させる規制・フリーゾーン特別法は議論すらされていない」と国会に対する不満を露わにした。李氏をはじめセヌリ党指導部に「課題」を出したことになる。李氏には高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題、ウ・ビョンウ民政首席秘書官をめぐる疑惑など重要な政治懸案が山積している。だが李氏は3選議員で国会の経歴は短い。湖南(全羅道地域)出身なので党内基盤も弱く、野党との関係も良くない。李氏が持つ特有の誠実さだけでは難題を解決できそうにない。結局、頼れるのは朴大統領と党内の親朴系勢力だけだ。こうなるとセヌリ党は汝矣島(ヨイド)にある「大統領府の出張所」に転落してしまう運命だ。

 全党大会後にセヌリ党の遠心力が増し、不安定性が高まっているのは別の問題だ。キム・ヒョンジュン明智大教授は「4・13総選挙敗北の原因はTK(大邱・慶尚北道)中心の親朴系の覇権による公認の失敗にあったが、セヌリ党はその失敗したモードへ逆戻りした」と指摘し、「金武星(キムムソン)元代表など非主流勢力の離党と大統領選終盤の与党候補一本化など、与党発の政界改編の可能性が高まった」と分析した。

ソン・ハンヨン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:8月10日(水)18時19分

ハンギョレ新聞