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中国発の世界市場混乱から1年、不安定さ拭えず-足元では落ち着き

Bloomberg 8月10日(水)11時17分配信

中国が人民元の実質切り下げに突然踏み切り、世界の市場が大きく揺さぶられてから1年。金融市場は現在、世界的に落ち着きを取り戻し、中国本土からの大規模な資本流出圧力も和らいだ。

米国の早期追加利上げ観測の後退が、資本流出に歯止めをかけるのに寄与した。中国当局はまた、貯蓄者が疑わしいインボイス(送り状)や本土外の保険商品購入などを通じて資金を持ち出す動きを取り締まった。

中国経済は今のところ安定している。7月末の外貨準備高は約3兆2000億ドル(約325兆円)と前月末とほぼ同水準。7月の生産者物価指数(PPI)は、4年余り続いている同指数の前年割れ傾向が終了する可能性を示した。他の指標も経済成長が全般的に持続していることを示唆している。中国人民銀行(中央銀行)は他の手段を通じて刺激策を講じているが、利下げは急いでいないとのシグナルを送っている。

中国当局は輸出企業を支援するために人民元を切り下げることはないと表明し、市場の懸念を沈静化させた。人民元は今年に入って対ドルで約2.4%下落しているが、中国が導入した新たな取引メカニズムに対する市場関係者の安心感は増した。

それにもかかわらず、中国本土からの資本流出は続いている。このことは人民元の突然の下落により、不安定な資本流出が再び起きるとの懸念が消えないことを意味する。

アジアアナリティカ・リサーチのマネジングディレクター、ポーリン・ルーン氏(香港在勤)は「大規模な資本流出を次に引き起こすのに必要なのは、一つの政策変更のうわさが雪だるま式に膨らむケースや人民元のさらなる切り下げだけだ。中国国内には懸念や不確かさといった雰囲気が漂っている」と述べた。

原題:China’s Money Outflow Goes Quiet, for Now, as Stability Reigns(抜粋)

Justina Lee, Enda Curran

最終更新:8月10日(水)11時17分

Bloomberg