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ノムラの債券セールスマン解雇、理性欠くと審判所-40億円損失めぐり

Bloomberg 8月10日(水)14時12分配信

野村ホールディングスの英子会社ノムラ・インターナショナルの債券セールスマン、ジョバンニ・ロンバルド氏は、アルベルト・スタッティ氏のことを心配し始めていた。

ワインと3つぞろいのスーツを好むスタッティ氏は無名のトレーダーだったが、ノムラから数億ドルの債券を購入するとオファーした。だが、同氏がマネジャーを務めるインベクスター・キャピタル・マネジメントは、2015年5月に取引のための現金を用意できず、ノムラにとって、個別の取引で最大規模の損失を覚悟しなければならなくなった。ロンバルド氏は、スタッティ氏を電話でつかまえることができなかった。

ロンドンの雇用審判所が示した決定の記載によれば、スタッティ氏とチャットでようやく連絡が取れたロンバルド氏は「きょうこの問題を解決しなければならない。さもなければ、2人ともひき肉にされる羽目になる」と伝えた。

しかし、結局スタッティ氏は現金を用意できず、ロンドンのトレーディング部門が既に苦しい状況に置かれているノムラは、インベクスターとの取引で4000万ドル(約40億5000万円)を上回る損失を被ることになる。ノムラはロンバルド氏がこの取引について十分早い段階で上司に報告しなかったことを理由に同氏を解雇したが、同氏の訴えを受けて、懲罰プロセスに幾つも不備があったと雇用審判所が3日認定した。

失敗で損失が生じ、雇用がどうなるか分からなくなれば金融機関の内部がいかに混乱するかをこの物語は浮き彫りにし、審判所の決定はその最終章を飾ることになった。

合理的でない反応

審判所は決定の中で、多額の損失を通常の顧客ではない相手との取引で生じさせた状況を説明しようとして同僚らが互いを攻撃し合い、一つの誤りが別の誤りを生む中で、懲罰プロセスを担当したノムラ幹部らが理性を欠いたとの見解を示した。

アトランティック・エクイティーズの銀行アナリスト、クリストファー・ウィーラー氏(ロンドン在勤)は「システムの不備を露呈させるような多額のトレーディング損失が発生する場合、傷の痛みをまひさせようとして合理的でない反応が起きる傾向がある」と指摘した。

ブルームバーグが審判所の決定を5日に最初に報じた際、ノムラの広報担当者は「書面による決定の詳細を吟味し、同時に選択肢を検討する」と回答したが、9日の時点でそれ以上のコメントを控えている。

原題:Nomura ‘Lost Control’ in Firing Salesman Over $40 Million Loss(抜粋)

Donal Griffin

最終更新:8月10日(水)14時12分

Bloomberg