ここから本文です

年収600万円で「R35 GT‐R」は買えますか? FPに聞いてみた

ZUU online 8月11日(木)10時10分配信

スポーツカーの中でもトップクラスの人気を誇る「日産 R35 型 GT‐R」。今夏には改良モデルが発売され、ますます注目が集まっている。車体価格が1000万円を超えるモデルもあり、富裕層にしか手を出せないと諦めモードの人もいるのではないだろうか。

しかし、マネープランをしっかり立てることができれば、高嶺の花に手が届く可能性も十分考えられる。今回は、筆者のもとにマネー相談に訪れたAさんを例に「R35 GT-R」を購入する際の注意点を紹介する。

■頭金をいくらで見積もるべきか?

Aさんは、30代独身男性で年収600万円。「R35 GT-R」を購入するために積み上げた預金が1000万円ある。しかし、結婚等のライフイベントも控えており、マネープランをどのように組めば良いのか悩んでいるという。

ちなみに、自動車ローンの金利は預金金利と比べ通常高く設定されている。そのため、可能な限りローンは組まず、預金で購入するのが理想的だ。

しかしながら、病気など急な出来事に対応するための「生活資金」として最低1年分は確保しておきたい。それ以外にも「もしもの時」のお金として100万円ほどは必要だろう。

上記を踏まえ、購入費用として預金をいくらまで使えるか見積もってみよう。Aさんの預金が1000万円、生活費が月額25万円、「もしもの時」のお金100万円として計算すると。

1000万円 -(25万円 × 12か月)-100万円 = 600万円

預金全額をクルマの購入費用とするには無理があり、頭金として600万円まで使える計算となった。また、結婚など今後のライフプランに応じて必要となる資金もあるだろう。それらを除いて、頭金として使える金額を見積もっておきたい。

■自動車ローンを「どこで組むか」

自動車ローンはディーラーで組むのが一般的だが、日銀のマイナス金利導入もあり、銀行などで比較的低い金利でマイカーローンを組むことも可能である。

1200万円のGT-Rを頭金600万円、ローン600万円で購入すると仮定して計算してみよう。

【静岡銀行 年2.4% 返済期間5年】
▽ボーナス返済なしの場合
 毎月の返済額 10万6219円 返済総額 637万3140円
▽ボーナス返済ありの場合
 毎月の返済額  8万8516円 ボーナス加算(年) 21万3436円

返済総額 637万8140円

独身で年収600万円のAさんは、年2回のボーナスがそれぞれ1か月分なので、税金や社会保険料などを支払った後の毎月の手取りは約35万円である。

Aさんの生活費は月額25万円なので、毎月の返済額が約11万円となる「ボーナス返済なし」のプランは無理が生じる。

「ボーナス返済あり」のプランを選んだ場合も家計に余裕がないし、会社の業績が悪化した時にも配慮して、毎月の生活費を見直すことを考える必要があるだろう。

提示される金利は審査の結果や条件によって、店頭表示とは違う場合があることにも注意が必要だ。

■残価設定型クレジットではどうか?

次に、同様の条件で他の自動車ローンで計算を実行してみよう。

【日産ファイナンシャルサービスの残価設定型クレジット年4.9% 返済期間5年契約 走行距離1000㎞コース】
▽ボーナス返済なしの場合
 初回分割返済額 5万8538円 2回目以降の分割返済額 5万3300円
据置額(残価)409万6000円 返済総額 724万5938円
▽ボーナス返済ありの場合
 初回分割返済額 2万8951円 2回目以降の分割返済額 2万6900円
ボーナス加算(年)40万円 据置額(残価)409万6000円 返済総額 724万3051円

「残価設定型クレジット」とは、あらかじめ数年先のクルマの買い取り保証額(残価)を設定し、その額を差し引いた分だけ分割して支払うという制度。分割支払いを終えたときにクルマを返却するか、残価を払って買い取るかなどを選べるのが特徴だ。

30代は転職や結婚など暮らしが変わりやすい年代でもある。返済額だけでなく、ライフプランにより途中で手放す可能性も考えながらローンを検討しよう。ただし、返済総額が高くなる点には注意が必要だ。

■R35 GT-R は維持費も高額である

「R35 GT-R」は維持費の高さもピカイチだ。燃費は8.6㎞/Lでハイオクが必須。通勤に使うなら相当の出費を覚悟しておこう。また、総排気量が3.5リットルを超えるので、自動車税も6万6500円と割高だ。任意保険や車検代も考慮すると、保有コストは少なくとも年間50万円程度は見積もっておきたい。

ファイナンシャルプランナーとしては、将来結婚して子供を授かった時の教育資金や、老後資金のことも考えてマネープランを立ててほしいところだが、男のロマンである憧れの「R35 GT-R」を手に入れたいという強い願望までは壊せない。

筆者にできることといえば、夢の実現をサポートするべく、無理のないマネープランを一緒に立て、見守ることだ。

辻本 ゆか(CFP) おふたりさまの暮らしとお金アドバイザー
大手金融機関にて個人向け営業に従事。その後、乳がんを発症した経験から、備えることの大切さを伝える活動を始める。現在は、子どものいないご夫婦やシングルの方への相談業務も行っている。FP Cafe登録FP

最終更新:8月11日(木)13時28分

ZUU online