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2020年に向けて3Dスキャナー、通信モジュールが成長分野…デンソー技術開発説明会

レスポンス 8月11日(木)13時21分配信

10日、デンソーは注目の高まる高度運転支援・自動運転分野の自社技術に関する技術説明会を開催した。カメラ、レーダーセンサーの他、V2X通信技術、ヘッドアップディスプレイ(HUD)などインターフェイス関連の技術が紹介された。

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Tier1サプライヤーとして国内外の完成車メーカーに部品を供給する同社の技術は、企業向けの展示会では馴染みがあるかもしれないが、近年、化粧品開発でヒットを飛ばすなどコンシューマ市場にも目を向けている。そんなデンソーが改めて記者を呼んでの技術説明ということで、業界紙をはじめ多くの報道陣が集まった。

技術説明は、デンソー ADAS推進部長 松ケ谷和沖氏によってスライドやビデオを交えて行われた。自動車の安全装備の考え方は、「もしもの安全」から「いつもの安心」へと広がっているという。事故の直前から衝突後までの安全を考えた、警報、操作介入(衝突軽減ブレーキなど)、乗員保護(エアバック、シートベルトなど)が今までの「もしもの安全」とすれば、今後は事故に遭わないための情報提供や操作代行など通常運転領域のサポート、「いつもの安心」を考えるのが同社の安心・安全コンセプトだそうだ。

デンソーでは、高度運転支援や自動運転を考えた時、車の構成要素は走行環境認識、HMI(Human Machine Interface)、情報通信、車両運動制御の4つの部分に分類している。走行環境認識は、レーダーやカメラといったセンサー類が担っている。HMIは、HUDや各種のメーター類、コックピット内。情報通信は、V2XやETC2.0のようなITSに関わる通信モジュールの他、携帯電話網をはじめとした各種モバイル通信技術だ。車両運動制御はモーターやアクチュエーター、制御ユニットということになる。

それぞれのコンポーネントがカバーする範囲で見ると、レーダーやカメラは車両から100メートル以内の距離を担当する。1キロメートル前後のレンジはV2X(車車間通信・路車間通信)などの機器が、10キロメートル前後からそれ以上となると、デジタル地図やビッグデータといったクラウド技術を利用することになる。

以上の4つの分野について、デンソーは以前から個別の技術として取り組んできたが、政府がいう2020年までに限定的な自動運転技術を確立するには、特に画像解析を含むセンシング技術とつながる車としての通信モジュールが要になるだろうと予想する。

カメラによる画像認識はもとより、周辺環境は複数のシステムで複合的にセンシングした方が堅牢性が高くなるからだ。夜間、雨天、逆光などさまざまな状況、車両や歩行者の予期せぬ行動などを把握するには、カメラとレーダーの組み合わせが有効で、特に対象物を立体的に捉え、測量できるLIDAR(3次元レーザースキャナー)は、高度運転支援・自動運転には欠かせない技術となる。また、地図情報などクラウドデータやITSスポットなどとの通信機能も同様だ。機械学習を利用するようになれば、クラウドにナレッジを集約した方が、高い学習効果が期待できる

松ケ谷氏はこのように説明するが、実際「デンソーのカメラモジュール、ミリ波レーダーコンポーネントは、トヨタの採用をはじめに順調に増えている」という。すでに欧米メーカーにもアプローチしており、自動運転技術の要の部分を、部品単体ではなくシステムやコンポーネントのサプライヤーとしての自信も見せた。

《レスポンス 中尾真二》

最終更新:8月11日(木)13時21分

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