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ジョジョ、テルマエ・ロマエも参加……ルーブルも認めた漫画文化

ZUU online 8/11(木) 11:10配信

「モナ・リザ」を所蔵する美術館として「ルーブル美術館」を知っている人も多いだろうが、今後はその認識が変わるかもしれない。「第9の芸術」として新たに、日本にも縁の深い分野が登録されたのである。

■「第9の芸術」は絵と文字のコラボ

ルーブル美術館は12世紀建造のルーブル城の面影を残す、世界最大級の史跡であり、収蔵品38万点以上という世界最大級の美術館だ。有名なものは何と言っても「モナ・リザ』、他にも「ミロのビーナス」なども収蔵されている。

ルーブル美術館のあるフランスには芸術の序列が存在している。「建築」「彫刻」「絵画」「音楽」「文学」「演劇」「映画」「メディア芸術」という第八番目までが存在する。

ここに新しく加わった項目こそが「漫画」である。

フランス語圏では、漫画のことを「バンド・デシネ」として、日本の「漫画」や米国「コミックス」とは異なる独自の文化として発展してきた。子供から大人まで幅広い世代に愛されると同時に、芸術性の高さが評価され、第九の芸術と位置づけられる分野なのだ。バンド・デシネの特徴として、フルカラーで細部まで丁寧に描き込まれている作品が多いということがある。

それぞれで独自の発展を遂げてきた、日仏の漫画(バンド・デシネ)文化がコラボレーションした企画展が、東京・六本木で開催されている。

■「ルーブル No.9 ~漫画、9番目の芸術」は絶賛開催中

2016年7月22日から9月25日まで六本木・森アーツセンターギャラリーで開催されているのが、「ルーブル No.9 ~漫画、9番目の芸術」だ。

日本のトップカルチャーである「漫画」をコンセプトとしていることから、日本の著名漫画家も参加している。『ジョジョの奇妙な冒険』の作者・荒木飛呂彦氏、『鉄コン筋クリート』の作者・松本大洋氏、『テルマエ・ロマエ』の作者・ヤマザキマリ氏ら、7人の漫画家である。

漫画(バンド・デシネ)を広める運動のスタートは、さかのぼること10年前から始まっている。前述した荒木飛呂彦氏は2009年にバンド・デシネプロジェクトに対し、『岸辺露伴 ルーブルに行く』というフルカラーの漫画を寄稿している。今までの同氏の作風とは異なる、見たことのない色合いやコマ割りが見もので、今回の展示会の中でも見ることができる。

荒木氏が寄稿した際は同氏ひとりのプロジェクト参加だったが、今回の展覧会参加者の顔ぶれを見ると、第9の芸術に対する注目度の高まりをひしひしと感じる。

■漫画はエンターテインメントへ

今回の展示会に参加するクリエイターは、7人の漫画家だけではない。「ルーブル No.9 ~漫画、9番目の芸術」の公式イメージソングは、シンガーソングライターの米津玄師氏、音声ガイドは声優の神谷浩史氏が務める。それぞれの分野で根強いファンを持った2人を加えた、強力な布陣といっていい。こういったイベントが盛り上がることで、単なる娯楽作品としての漫画が、芸術として存在感を放っていくことは、ほぼ確実だろう。

描き込みが非常に細かく作成に時間がかかるため、商業的に成り立つのが難しいとされるバンド・デシネ。一方で、日本のマンガ文化は書き込みが細かくても、商業的に成功していることから、今回のコラボレーションで、バンド・デシネには活路が開かれるかもしれない。

今回の件でますます注目を集めていくであろう「漫画」だが、注目を集めるのは現代や未来の漫画だけではない。日本最古の漫画の注目度も上がるだろう。国内外から人気を集めている漫画。最も古い漫画とされるのが「鳥獣戯画」である。今から800年前に制作され、現代ではアニメになるなど、漫画ビジネス原作の先駆けといえる存在だ。「鳥獣戯画」のように、何年経っても愛される存在に、芸術に認定された「漫画」は成長していくだろう。

芸術の秋にはまだ早いが、暑い夏に日差しを避けて、日本とフランスの最新芸術に浸ってみてはいかがだろうか。(ZUU online編集部)

最終更新:8/11(木) 11:10

ZUU online

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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