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【柔道】悔しい銅・永瀬“世界のヤマシタ”が後継者に指名する逸材は東京でリベンジ誓う

東スポWeb 8月11日(木)6時0分配信

【ブラジル・リオデジャネイロ9日(日本時間10日)発】リオ五輪柔道男子81キロ級の永瀬貴規(22=旭化成)が銅メダルを獲得した。永瀬は準々決勝で敗退も、敗者復活に回ってからの2試合でようやく本来の力を発揮した。

「悔しい気持ちでいっぱいです。縮こまってしまって、本来の動き、自分の良さが出せなかった」。昨年の世界選手権を制し、先輩の大野と並ぶ有力な金メダル候補として臨んだ初の五輪はほろ苦いものになった。

 課題としていた初戦(2回戦)は危なげない優勢勝ちだったが「あまりいい試合ではなかった」。3回戦では足技からの押さえ込みで合わせ技一本勝ち。だが、準々決勝では先に有効を奪われ、そのまま逃げ切られた。

 敗戦後、大野から「『まだメダルは残っているから、切り替えてしっかり取りに行け』という言葉をもらいました」。これが効いたのか、敗者復活戦では序盤から攻め立て背負い落としで一本勝ち、3位決定戦では世界ランク1位チリキシビリ(25=ジョージア)から内股で有効を奪い優勢勝ちでメダルを死守した。

 井上康生監督(38)は「優勝できる力はあったと思う。彼の中にある心の強さを引き出してあげられなかった」。敗者復活戦からの戦いぶりが見事だっただけに、悔しい結果となった。

 持ち味はその井上監督が「世界一」と呼ぶ防御力だ。身長(181センチ)を超える188センチのリーチに加え、その秘密は指先にある。ロサンゼルス五輪金メダリストで全日本柔道連盟の山下泰裕副会長(59)は「ひっかける力だと思う。握力ではなく外れない力。例えば、鉄棒の大回転とかものすごい力が働いている。(永瀬も)常に動いている中での感覚が非常に繊細」と目を細める。

 実際、永瀬の握力は両手とも53~54キロ程度しかない。しかし、昨年12月のグランドスラム東京大会で、下半身をつかんだとして反則負けをくらった試合では、逆に最後まで上着を持ち続けた永瀬の“外れない力”に驚嘆の声が漏れた。山下氏は「寝技もできるし、立ち技も技のつなぎもうまい。一本取れる豪快な技があれば、中量級のオレになっちゃうよ」。“世界のヤマシタ”が未来の後継者に指名するほど評価は高い。

 まだまだ先がある未完の大器。永瀬は五輪の重圧を言い訳にはせず「力を出せなかったのは確かですが、一番の敗因は実力不足。悔しいままで終わりたくないので、東京では笑顔で終われるようにやっていきたい」。銅メダルを手に4年後のリベンジを誓った。

☆ながせ・たかのり=1993年10月14日生まれ。長崎県出身。5歳から柔道を始め、長崎日大高進学後に高校選手権で優勝するなど才能が開花。筑波大4年時の2015年世界選手権では初優勝を果たした。得意技は内股、足技。181センチ。

最終更新:8月11日(木)8時42分

東スポWeb