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健康増進への行動変化で好循環を 日本でも健康増進型保険始まる

エコノミックニュース 8月11日(木)12時51分配信

 人口の高齢化や生活環境の変化に伴って、糖尿病、がん、心臓病、脳卒中等に代表される生活習慣病患者が増加している。また、運動器機能が低下するロコモティブ症候群の増加しており、医療費や介護保険財政負担の増大が課題となっている。厚生労働省は国民の健康増進に向けた様々な取り組みを実施しているが、急激に高齢化する社会に追いついていないのが現状だ。こうしたなか、住友生命と南アフリカの金融サービス会社Discovery、ソフトバンクの3社は、健康増進型保険の共同開発で提携。ウェルネスプログラム分野での世界的な代表企業であるDiscoveryのプログラム「Vitality」を日本市場に導入する「Japan Vitality Project」としての取り組みを開始した。

 保険料が健康年齢で決定する「健康年連連動型医療保険」というタイプの医療保険は既に6月にノーリツ鋼機のグループ子会社が販売開始しているが、Vitalityの仕組みはこうした従来型保険とは一線を画す内容となっている。特徴としては、健康増進によって保険料負担軽減などのインセンティブを提供するもの。健康改善のためのツールや知識を提供し、臨床研究や行動経済学に基づいて保険加入者の健康増進をサポートする。特に生活習慣病の増加を抑える上で重要な「健康チェック」「予防」「運動」に対して保険加入者の意欲を引き出し、行動変化を促す仕組みが取られている。

 同プログラムの推進でネックとなるのが、IoTを活用した健康情報・健康増進活動に関するデータの収集プラットフォームだ。海外での取り組み例として、日常的な健康増進活動はApple Watch等のウェアラブル機器を通じて記録され、運動促進・健康改善により保険料負担を軽減する独自プログラムを設立しているケースもある。住友生命とソフトバンクの構築する健康データ収集プラットフォームも運動促進・健康改善を最適化するようなものになると考えられる。健康増進の仕組みを経済に取り込む仕組みが普及することで、保険会社や保険加入者だけでなく社会全体の健康増進が進み、医療費や介護保険料財政負担の根本的な削減につながるため、同プログラム導入の取り組みに期待したい。(編集担当:久保田雄城)

Economic News

最終更新:8月11日(木)12時51分

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