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ブラジル日系柔道家、2人の夢リオで破れ=知花は初戦敗退、海老沼に=キタダイ健闘もメダル届かず

ニッケイ新聞 8/11(木) 2:56配信

<ブラジル邦字紙「ニッケイ新聞」10日付け>

 【リオ発=小倉祐貴記者】南米初の五輪リオ・デ・ジャネイロ大会が開幕を迎え、6日に柔道男子60キロ級のキタダイ・エイジ・フェリペ(27)が、翌日に同66キロ級の知花コウシロウ・チャールズ(26)が登場した。共にメダル獲得を目標に掲げていた日系三世だが、表彰台には到達できず。期待されていたメダルをもたらすことはできなかった。

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 大会初日の6日に登場したキタダイは、前回ロンドン大会の銅メダリストであることから、今大会でも大いに期待されていた。会場のバーハ・オリンピックパーク内にあるカリオカアレーナ2には、サンパウロから家族ら30人以上が駆けつけた。遠くリオグランデどスール州ポルトアレグレの所属クラブ「SOGIPA」からも、多くの応援団が集結した。

 また知花の応援団には、サンパウロから日帰りバス2台で約80人が駆けつけていた。応援団はおそろいのTシャツに身を包み、表彰台へ後押ししようと会場いっぱいに響く大声援を送る。場内アナウンスで彼らが紹介されると、ブラジルコールと足を踏み鳴らす轟音が鳴り響いた。

 キタダイはトーナメント初戦から苦戦を強いられた。相手は今年の欧州選手権を制した強豪ワリド・キヤー(フランス)。同格の相手に指導2つでリードを許すも、残り8秒で投げ技から有効を奪い逆転勝ちした。

 サンパウロ在住の父エドゥアルドさん(56)は、「力強く戦ってくれた。先行されても心配はなかった。信じていた」と握りこぶし。次戦も有効で優勢勝ちするも、準々決勝では一本負け。午後からの敗者復活戦にまわった。

 父が「集中して戦ってほしい。疲れはないはず」とエールを送るも、ウズベキスタンの選手に再び一本負け。引き揚げるキタダイの目にはうっすらと涙が浮かんだ。

 翌7日には66キロ級に知花が登場。汎米王者として母国の五輪に臨むも、世界選手権を3連覇した海老沼匡(日本)に初戦でまさかの一本負け。13年のリオ大会では僅差で敗れた因縁の相手に、雪辱を果たすことは出来ず。4年間の特訓の成果は、たった5分で幕を閉じた。

 父マリオさんは「メダルを取って『ブラジルには強い日系人がいるんだぞ』って日本に届けたかった」と無念の表情。祖母の弘子さん(79、沖縄)もがっくりと肩を落としながら「また一から鍛錬を積んでほしい」と声をしぼりだした。

 五輪開幕から最初の週末で日系柔道家2人の夢が、母国の大舞台ではかなく散った。

最終更新:8/11(木) 2:56

ニッケイ新聞