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倉敷美観地区「ポケモンGO」で集客 割引やバッテリー充電など導入

山陽新聞デジタル 8月11日(木)13時0分配信

 岡山県内最大の観光地・倉敷市美観地区一帯の店舗で、スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」のプレーヤーを対象に、割引などのサービスを導入する動きが出ている。地区一帯がポケモンを捕らえやすい「狩り場」となっているのに着目し、“新規客をゲット”する狙い。一方で、大勢のプレーヤーが集まり深夜までゲームに夢中になっている現状に、地元からは「本来の観光を」「トラブルが起きないか心配」との声も上がっている。

 「店内バッテリー充電OK」「ポケモンGOユーザー限定 ドリンク全て100円引き」…。美観地区の一角にある宿泊と飲食の複合施設「クオーレ倉敷」は、ポケモンGOの配信開始から間もなく、プレーヤー向けの独自サービスを打ち出した。

 美観地区は、ポケモンを捕まえる道具を入手できる場所「ポケストップ」があちこちにあり、出現するポケモンも多いと評判で、連日多数のプレーヤーがそぞろ歩く。クオーレ内の飲食店でも、多い時は20人以上が椅子に腰掛け、スマホ片手にポケモンを探している。

 「気兼ねなくゲームできるし、お得感がある」と大阪から家族で訪れた中学1年男子(12)。クオーレの井野川裕己支配人(30)は、自身もポケモンGOにはまっており「お客さんと一緒に楽しみたかった。店を知ってもらうきっかけにもなれば一石二鳥」と笑う。

 カフェ・ギャラリー「CAVES(ケイブス)」の店主松尾宣治さん(65)は、客が多い時間帯になると、自分のスマホでポケモンを呼び寄せるアイテムを使う。課金される場合もあるが松尾さんが負担し、他のプレーヤーは無料で恩恵にあずかれる。店の入り口には“サービス”を知らせる張り紙。ゲームの仕組みに目を付け、集まってきたプレーヤーを店内に誘い込もうとのアイデアで、松尾さんは「集客につながればうれしい。美観地区でポケモンを探すツアーも企画してみたい」と言う。

 世界的なブームを商機とする取り組みがある一方、美観地区を案内する観光ボランティアガイドの女性(67)は「スマホの画面を見る前に、白壁の美しい町並みを見てほしい」とこぼす。同地区で暮らし、町家の再生・調査に取り組むNPO法人倉敷町家トラストの中村泰典代表理事(65)は「地元に説明がないまま、プレーヤーが数多く集まるゲーム設定にされたことには不満がある」と指摘。ポケモンGOを巡り全国で、私有地侵入や交通違反などのトラブルが起きていることを踏まえ「せめてマナーを守って楽しんでほしい」と訴える。

最終更新:8月11日(木)13時0分

山陽新聞デジタル