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歴史的建造物をめぐる自由研究、具体的なテーマ3つ

ベネッセ 教育情報サイト 8月11日(木)14時0分配信

夏休みも中盤! 気になるのは、「子どもの宿題が終わるかどうか」という保護者のかたも少なくないかもしれません。特に「自由研究」には毎年悩んでいるご家庭も少なくないでしょう。 
そこで、神奈川県立歴史博物館・学芸員の丹治雄一さんに、歴史的建造物をテーマにした自由研究について聞きました。
※神奈川県立歴史博物館は、改修中のため、2018(平成30)年4月下旬まで休館予定です。

子どもの関心を育てるために必要なこととは

「自由研究で何をしたい?」と子どもに尋ねても返事がない……とお困りの保護者のかたもいるはず。しかし、何事にも関心がない子どもはほとんどいません。毎日子どもはいろいろなことに興味を持っています。

ポイントは、それをすくい上げること。最初は、系統立った興味関心でなくてもよいでしょう。興味を示したことをきっかけに一緒に調べていくと、子どもの関心は広がりを見せていきます。特に、保護者のかたが興味を持っていることに、子どもは関心を持ちます。何かを一緒に探求してみる姿勢を持つことがまずは大切だといえるでしょう。

今は、インターネットもありますし、地域の図書館などで一緒に文献を調べることもできます。物事を調べる環境が比較的整っている時代を受け入れて、生かすとよいですね。

「歴史と今をつなぐ」ことを自由研究のテーマに

歴史を題材にした自由研究では、「過去と現在をつなぐこと」を意識すると、子どもの関心が広がっていきやすいのではないでしょうか。一つの事象を調べるだけでは、「点」で終わってしまいます。「今」からさかのぼって過去を調べていくことで、「線」となり、思考が深まっていくと考えられます。

「歴史と今をつなぐ」自由研究の、具体的なテーマを3つご紹介しましょう。

◆歴史的建造物 × 仕事
歴史的建造物を見ながら、そこでどんな業務が行われていたのかを知ることで、「仕事研究」につなげていくことができます。
これまでに、たとえば神奈川県庁本庁舎の「見学ツアー」を実施したことがあります。県議会などが開かれる大会議場を目の当たりにして、学校で習った政治の仕事とリンクさせた子どももいました。

◆用途が変わった歴史的建造物
神奈川県立歴史博物館の建物は、旧「横浜正金(しょうきん)銀行本店本館」です。銀行の名残を残す、金庫や営業室などが今も残っています。他にも、現在は商業施設となっている「赤レンガ倉庫」は、昔は輸入した品を一時保管する倉庫でした。

こうした、今と昔で使われ方が異なる建物には、過去の用途の名残を探す「宝探し」のような面白さがあります。

◆歴史的建造物  × 地域的特徴
各地域の特徴に合わせて、さまざまな建造物が建てられています。たとえば、神奈川県は、貿易が盛んだったため、各所に貿易に関わる建造物があります。そうした建物が「今は何に使われているの?」「もうなくなってしまったの?」「なくなってしまったとしたら、どうして?」 などを調べていくと関心が広がっていきます。

子どもは地域の特徴や歴史を、低学年の時から学校で勉強していますから、その知識をベースに関心を広げていくことができます。一つの建物を切り口に自由研究を深めていくこともよいでしょうし、複数の建造物を地図に描きどういう配置で建てられていたのかなどを探るのも面白いでしょう。

歴史的建造物の中には、時代を超えて今に生きているものも少なくありません。そのため、歴史分野のなかでも、「歴史と今をつなぐ」研究をしやすいと思います。

自分が興味を持ったことを「調べる力」を付けてほしい

歴史に興味を持ち、調べていく作業は、そもそもの起源をたどる姿勢につながります。この姿勢は、どんな学問においても必要です。関心を持つこと、そしてそれをとことん追求することは、社会で生きるうえで不可欠な素養といえるでしょう。

歴史的建造物をめぐる自由研究などは、その姿勢を養う格好の機会といえます。博物館なども利用しつつ、保護者のかたも一緒に興味を持って調べてみてはいかがでしょうか。

ベネッセ 教育情報サイト

最終更新:8月11日(木)14時0分

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