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増益も顧客流出が止まらないドコモの深刻度

ニュースイッチ 8/11(木) 11:10配信

格安スマホに食われるフィーチャーフォンテコ入れへ

 2016年4―6月期連結決算で営業増益を確保したNTTドコモ。通信料収入の拡大が好業績につながったが、一方でスマートフォンの販売台数が伸び悩むなど新たな課題も浮上する。仮想移動体通信事業者(MVNO)の格安スマホや、ソフトバンクなどが提供するサブブランドの低価格スマホにユーザーが流れたことが主因とされる。フィーチャーフォンを含め携帯料金の請求額が少ないライトユーザーのニーズに応えて、顧客を囲い込む施策が求められそうだ。

 16年4―6月期のスマホなどの販売台数(MVNO向け回線を除く)は、前年同期比7%減の306万台。夏モデルの投入時期が前年から2―3週間ほど遅れて6月下旬になったことが響いた。これに加え、米アップル製のスマホ「iPhone(アイフォーン)SE」の在庫薄による販売機会のロスも販売減に拍車をかけたようだ。

 一方、ドコモ認定の携帯ショップを中心に運営する販売会社によると、16年4―6月期に台数ベースで同13%減、金額ベースで同11%減に落ち込んだ。総務省は4月に端末の実質0円販売を是正する指針を導入した。これに伴い販売店は4月末に新規・MNP(同番号移行制度)と機種変更の端末代を1万円以上値上げしており、購買意欲の減退につながっている。

 さらに佐藤啓孝最高財務責任者(CFO)は「フィーチャーフォンのユーザーが格安スマホなどに(流れて顧客基盤から)抜けていっている」と分析する。販売店でも格安スマホの影響について「安さを訴求する家電量販店で格安スマホが活況を呈しており、携帯電話会社の売り場が食われている」と指摘する。

 こうした現状を踏まえ、ドコモはフィーチャーフォンから自社のスマホへの移行を進めている。初めてスマホを使うユーザーを対象にした割引プラン「はじめてスマホ割」の提供を5日に開始。さらに今後、音声通話など機能を絞ったアンドロイドOS(基本ソフト)を搭載したLTE対応のフィーチャーフォンと料金プランを投入する予定。

 佐藤CFOは「MVNOの回線提供を除いた実態を見ると、苦戦している。何としかなければならない」と危機感を強める。実質0円販売の禁止で競争環境が緩和したが顧客の流出は続いている。土台となる顧客基盤の強化が中期的な命題となりそうだ。

最終更新:8/11(木) 11:10

ニュースイッチ